"地中海,キプロス,パフォス,pafos"
世界遺産とファミリーリゾート、2つの顔を持つ街
Páfos
Πάφος
パフォス
(キプロス)♦
Centro
Storico

波打ち際のカフェ

界遺産の貴重な遺跡やモザイクを訪ねて、初めてパフォスに足を踏み入れたとき、相当の違和感を持つに違いない。ビーチに立ち並ぶマンションのようなリゾートホテル群、レストラン、カフェ、土産物屋が軒を連ねる繁華街をリゾート客や車が行き交う。パフォスは、日本人にとってのグアムのように、ヨーロッパ人にとって家族連れで楽しめるお手軽なビーチリゾートだ。だが、パフォスの歴史は古い。今は廃墟となった古代パフォスが捨てられた後、紀元前4世紀頃現在のパフォスが作られたと言われている。開発の進んだ町のそこここに、多くの紀元前の痕跡が残っている。

パフォス城と古代の防波堤

 繁華街を通り過ぎ、港に沿ってプロムナードを歩いていこう。停泊する漁船と魚料理のレストラン街を抜けると、パフォス城がある。長い歴史の中で何度も破壊されては立て直され、現存するのは16世紀のトルコ領時代のものだ。その近くには紀元前の防波堤が、半ば水没しながら岩の列として連なっている。低い城の上に上がると、それでも港や町の様子が一望できる。

港近くの海綿売り

日が暮れるとプロムナードの賑わいも最高潮に達する


海に映える遺跡群(オルフェウスの館)

 市街地のすぐ脇、灯台の手前には広大な何も建っていない土地があるが、これが紀元3〜5世紀頃の豪農のヴィラの後だ。建物は土台を残すのみだが、その規模の大きさは十分窺い知れる。そしてこの世界遺産の見所はモザイクだ。見事な、まるで美術品のような館の床を埋め尽くすモザイクが、うんざりするほどの量で展開する。その隣には12世紀のビサンツの城跡があるが、地震で崩壊し僅か数個のアーチを残すのみである。灯台の足元にはローマ劇場跡がある。

ディオニソスの館の見事なモザイク


 町中にも遺跡は点在する。数多くの遺跡の中でも見逃せないのが、見事なモザイクと列柱がのこる4世紀頃の初期キリスト教聖堂跡と、それに寄り添うように建てられた11世紀頃の聖キリアキ教会だ。古代から聖地と大事にされてきたスペースだ。

初期キリスト教バジリカ脇に建てられた聖キリアキ教会


 市街地を抜けて北に2キロ進んだビーチ脇には、世界遺産の広大な「王の墓」が現れる。誰のものかは明らかではないが、紀元前4世紀頃の王族・貴族の墓所で、広大な敷地の各所を掘り下げた地下墓地が広がっている。墓地といっても、強い日差しと乾いた大地の元、陰鬱な感じは全く無い。この近辺からさらに北のコーラル・ベイにかけては白砂の美しい海岸線が続き、夏にはパラソルが立ち並ぶ。

「王の墓」の所有者は今だに分かっていない


ルクミはトルコから伝わったパフォスの銘菓


 町の東のゲロスキプ地区には、ビサンチン時代に起源を持つ、美しい聖パラスケヴィ教会がある。またその周囲には、土産物屋に交じって、数軒のルクミ(Loukoumi)と呼ばれる銘菓の店がある。トルコに起源を持つゼリーのような菓子だ。工業生産の類似品はパフォス市内のどの土産物屋でも買えるが、本家の手作りの商品は全く品質が違う。