"地中海,ギリシア,イエラペトラ,クレタ,ierapetra,crete"
ヨーロッパ最南端の都市
Ierápetra
Ιεράρετρα
イエラペトラ
(クレタ島 −ギリシア)♦

ビア海を望むクレタ島の南海岸は、海沿いに縦貫する車道さえないヨーロッパの最果てだが、紀元前50-10世紀には文明の中心メソポタミアやエジプトに最も近く、クレタ島特に南部はヨーロッパの玄関口であった。
 町の起源は神話時代の神官キルバス(cyrbas)にまで遡るが、歴史的にはドーリア人が聖なる(イエラ)石(ペトラ)と名づけて、本格的な町として建設したとされる。
 現在の町の基礎は、ようやく平和が訪れたヴェネチア領時代に、一番のモニュメントである城とともに作られた。
 イエラペトラは、北緯35℃00分、これより南にヨーロッパの都市はない。
 しかもクレタの主要都市の中では唯一南向きなので、町はとにかく明るい印象だ。
 海に突き出た城と港に隣接した旧市街の一帯は、細い路地に中世の家々が密集した、歩き回るのも楽しい地区だ。
 トルコ時代の遺物であるモスク[写真下]も、地中海風の無国籍な街並みにすっかり溶け込んでいる。
 漁港に面したタベルナで、素朴な料理を味わいたい。