"地中海,ギリシア,ヴァシア,ヴァティア,マーニ,マニ,vathia,mani"
塔が林立する山上の小集落
Váthia
Βάθεια
ヴァシア
(ギリシア)♦

リシアの南の果てには、樹木も疎らな山上に要塞のような集落を作って暮らしていた一族の末裔が今も住んでいる。
 車で行くことすら大変な辺境の地に小さな村があることにすら驚かされるが、その建物の多くは塔であるか、それに準じた砦のような構造をしており、一種独特の景観を作り出している。
 そんな小村の中でヴァシアは、町に繋がる幹線道路沿いにあるため比較的訪れる人が多い。
 最後の町イェロリメナスを過ぎると、人家も疎らになりあたりは大自然一色になる。山が迫って、海岸部を走る道路は高度を上げ始める。

 その時よく見ると、目の前の禿山の山頂に何か岩の塊のようなものが見えてくる。近づくにつれ、それは黒っぽい岩と同じ色の保護色をした小さな村であることに気がつくだろう[写真中]。車はそこに向かって一気に高度を上げ、村の入口に着く。タヴェルナはもちろん、カフェすらないので、暑いさなかであれば事前に準備をしておきたい。
 村の道に入ると意外と小奇麗なのに不意をつかれる。最近補修され綺麗になった部分が目に付くのだ。貴重な歴史遺産であるマーニの塔に関心が高まり、別荘やヴィラとして使われるケースが増えているのだ。
 一周して数分の小さな村だが、はるか下の海岸線を見渡す、比類ない眺望が待ち受けている。
 村の雰囲気を堪能したあと、うっかりそのまま引き返さないようにしよう。村の入口からさらに車を200メートルほど進めた地点から、海岸線に浮かぶヴァシアの息を呑むような光景に出会うことができる[写真上]。