"地中海,イタリア,アルタムーラ,プーリア,altamura"
ギリシア・ユダヤ・アラブ系住民の街として再建された
Altamura
アルタムーラ
(イタリア)

ルジェと呼ばれるプーリア州の石灰岩の台地の、城壁に囲まれた円形の旧市街を持つ街がアルタムーラ(高い城壁の意味)だ。街の構造は同州のロコロトンドとも似ており、住居を兼ねた城壁に囲まれた旧市街への入口は、現在でも数箇所しかない。
 旧市街の中心部に13世紀の立派な大聖堂がある。その正面の2体のライオンは、左が教権、右が俗権を表すと言われる【写真上】。

 現在の街はサラセン人に滅ぼされた町を、ギリシア人、ユダヤ人、アラビア人の町として神聖ローマ帝国王フェデリコ2世が再興したものだ。そのため街はアラブのメディナを思い起こさせる曲がりくねった細い路地や袋小路が多い。また町内の教会は、もともと東方正教会として建てられたものが多い。
 クラウストロ(Claustro)【写真下】という独特の小広場が80ヶ所以上も見られるが、これらは全て袋小路をたどった一番奥にある、それを取り囲む住宅同士が共同で使う庭のような場所のことだ。今でこそ駐車場などに使われることもよくあるが、未だによそ者が入りにくい中庭ような雰囲気を保っている。