グリアの東端に、地図にも省力されてしまうほどの、美しい小さな漁村がある。それでも夏には、のんびりした村の雰囲気と、おいしい食事を求めて、海を楽しみに来るバカンス客で、駐車場が一杯になるほどだ。
　ラ・スペツィアに近いレリチから、海辺に点在するヴィラを結ぶような田舎道が続いている。その終点の小さな村がテッラーロだ。

　集落の中はこれといったものはないが、家々の壁の色使い、咲き誇る花など、リグリアらしい明るい美しさに溢れている。
　ほどなく港に出る。小さな漁船格納庫と幾艘かの漁船、そして風景にアクセントを与える海にせり出したピンクの古い教会。これが全てだ。それでも町の中、漁港のどこをとっても絵になる風景になるから不思議だ。
　食事をするなら村の入り口にあるIl Delfinoがおいしい。地理的環境から、リグリアとトスカーナの両方の影響を受けたメニューが楽しめる。