"地中海,ポルトガル,エストレモス,エシュトレーモシュ,estremoz"
数々の王達が過ごした由緒ある町
Estremoz
エストレモス
(ポルトガル)♦

々しさないが、品格ある中世の城下町がエストレモスだ。町の名はエシュトレーモシュだが、日本では豪華なポウザーダに泊まれる町エストレモスとして、呼び名がすっかり定着しているので、ここではそれに従うものとしたい。
 この町の作りは、何とも雰囲気がある。正面、裏のいずれから入ってもそれぞれに良い。
 正面から入る場合は、下の町(現代の町)の広大なポンバル公爵広場(Rossio Marques de Pombal)から中世の城下町である上の町に入る。
 それまでの近代的な市街とは変わって、数百年は経つであろう小さく素朴な白塗りの民家が連なるカーブを登っていくと、対照的に巨大な王宮とイザベル妃像が建つ広場に出る。
 一方城壁の西側から上の町に直接入る裏門を通るルートは、シチュエーションが素晴らしい。高速を降りて小型乗用車で入る場合はこのルートになるだろう。
 目の前の丘に聳えるような城壁と王宮を目に車を進めると、堀に渡した石橋を抜けて狭い城門をくぐる。道はやがて一直線に古い街並みを登り、狭い石の門を潜るとそこは王宮前の広場だ。
 石の敷き詰められた広場は、平原を見渡すテラスになっていて、夕涼みの市民で賑わう。貧しい市民への深い慈愛で名高い聖イザベル妃(Rainha Santa Isabel)像と、聖王妃(ハイーニャ・サンタ)聖堂とが並んでいる。
 壮麗な塔を擁する王宮は、現在ポウザーダとなっており、全て見学するには宿泊することが要件だ。
 しかし、王宮の見事な建物や調度品、レストランに使用されている大広間、町の全てを見渡す塔の最上部からの光景など、見所は数多く、ぜひ宿泊予約をして訪れたい。