"チュニジア,シュニニー,シェニニ,chenini"
自然の造形を巧みに取り入れた山岳都市
Chenini
ﺷﻨﻨﻲ
シュニニー
(チュニジア)♦♦
Centro
Storico

も美しい北アフリカの町の一つとして、シュニニーをあげておきたい(フランス語でシェニニ)。
 ベルベル人の村シュニニーは、チュニジア南部のオアシス都市タターウィンの奥、18kmの距離にある山岳都市だ。切り立った茶色い山地の、頂上付近の地形を利用して、山の一部であるかのように存在する真茶色の都市だ。

 寂しい僻地の村とは思えないほど、観光バスが押しかけ、真新しいレストランができ、ひなびた風情は微塵もなくなったが、それでもぜひ訪れてみたい。

 フーム・タターウィンから暫くの快適なドライブでシュニニーの町に入り、そのまま2キロほど先に進むと旧市街に着く。いきなり立派なドライブインが出てきてびっくりするが、この旧市街では、今でも村人が生活している。4WD車を所有してはいるものの、同時にロバやラクダにも乗り、穴蔵や石を積み上げた塀の上に丸太を渡しただけの粗末な小屋に住んで生活しているのだ。



ュニニー旧市街とのより印象的な出会いは、20キロほど離れたドゥーイーラートからシュニニーに続く車道からのアクセスが面白い。
 現れては去る幾つもの茶色い岩山、その一つと思っていたものが、近づいてみて村だと分かる驚きは感動的だ。旧市街は岩山の南斜面に密集しているため、タターウィンからのアクセスでは見えないわけだ。

 ドライブインには立派なレストランがあり、美味しい食事も取れる。その脇から旧市街に入る。車も入れるが、混雑する夏のシーズンなら、徒歩のほうが無難だろう。
 目の前の左右に分かれた2つの岩山の、向かって右手が今でも住民が暮らす地域、左が廃村となっていてある意味気兼ねなく見学できる地域である。その中間の峠には真っ白なモスクがあり、まずはそこを目指して登ろう。

 夏の照りつける日差しに汗を搾られるが、モスクの前までくれば峠を越えて涼しい風が吹いてくる。ここにはカフェがあるので一息つくのも良いし、モスクの蔭に広げられた露店で土産物を選びながら涼を取るのも良い。

 この先、廃村の中を自由に道を取り歩き回ってみたい。とは言っても散策というより、登山という感じがするほど険しい山岳地帯なので、ルート選びは慎重にしたい。何とか山頂までたどり着けば、360度の大展望を楽しむことができる。