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トラーパニ風郷土料理で有名な店
Cantina Siciliana
カンティナ・シチリアーナ
(トラーパニ −イタリア)♦
旧ユダヤ人街のひっそりした裏通りに

   旧市街の静かな住宅街にポツンとあり、たどり着くのに苦労する

場からスタートした店であることは、カンティナという店名からも分かるとおりだが、今やトラーパニを代表する郷土料理の店として知られており、地元の客や観光客らが引きもきらず訪れる名店だ。
 店内は、酒場だった頃の面影を伝える、洒落っ気はないが気取りもない、居心地の良い空間だ。

   伝統的な海の前菜盛り合わせ

 まずは魚介の前菜盛り合わせからスタートしよう。新鮮なエビ、タコ、イカ、マグロのマリネに、レモンのきいたカジキマグロのカルパッチョ、マグロのレバーなど、どれも海の町の伝統的なアンチパストばかりだ。

   トラーパニ名物の魚のクスクス

 看板料理のトラーパニ風クスクスは外せない。魚の旨みをたっぷり含んだ出し汁で炊き上げたクスクスにイカのフリットが添えられる。言ってみれば、炊き込み御飯といったところだろうか。クスクスの粒自体は水分が少ないパサッとした食感で、これに別の皿で出される魚のブロードを掛けながら食べる。観光客向けの魚のクスクスとは一味違う、骨太の一品だ。


魚三昧の料理はどれも最高の美味さ

   エビのソースのブシャーテは材料がよいので本当に美味しい

スタなら迷わずブシャーテを注文したい。らせん状に巻いた薄い麺なので、ソースが良く絡んでうまい地元のパスタだ。魚介尽くしでいくなら新鮮なエビのトマトソースが相性もよくお勧めだ。
 これだけでもかなり満腹になるが、新鮮なエビ、イカ、魚類を、炭火でシンプルに焼き上げたミックスグリルで魚三昧も悪くない。

  カサテッラはリコッタチーズがセンターに入った揚げ菓子

 最後にトラーパニのデザート、カサテッラで終わりにしよう。
 名前から想像されるカステラのようなものではなく、サルデーニャのセアーダスとも似た、甘いリコッタチーズを中に詰めた大ぶりの揚げ餃子、といった感じの質感のあるデザートだ。

 イタリアの魚料理は概して、鮮度が悪いのに値段ばかり高く、しかも単純な料理が多い。しかし、ここで食べた料理の数々は、日々の生活に根付いた魚介料理の蓄積をつくづく感じさせられる、印象に残る料理であった。

Cantina Siciliana(カンティナ・シチリアーナ),
Via Giudecca, 36, 91100 Trapani(TR), Italia., (-->地図41
Tel: +39 0923 28673,
店舗URL: http://www.cantinasiciliana.it/
紹介URL:
営業時間: 昼、夜
休日: 年始年末,
カード可,
駅からは西の旧市街方向、港からは東の新市街方向に向かうと、南北に旧市街と新市街を隔てる1月30日通りに出る。この通りから直角に旧市街に入る細い路地の一つ、ジュッデカ通り(Via Giuddeca)に入る。1月30日通りの比較的南側で同様に旧市街に向かう比較的大きなイタリア通り(Corso Italia)に並行して走る一本北側の通りだ。この通りに入って100メートルも行かないうちに左側にあり、ここまでくればすぐわかる。旧市街中心部の旧ユダヤ人街だった住宅地に位置するため、たどり着くのが難しい。

2006.5.11掲載