"地中海,レストラン,スペイン,アンダルシア,カピレイラ,カーサ・イベーロ,capileira,casa ibero"
野菜たっぷりの伝統料理を出す山の食堂
Casa Ibero
カーサ・イベーロ
(カピレイラ −スペイン)
山あいの村の小さな民家に開いた食堂

太い梁の渡った木の天井が、いかにも山の食堂らしい

ルプハラスの最奥、標高1436メートルの山村カピレイラの小さな食堂、カーサ・イベーロ。
 麓から上がってくる道は、村に入るとそのままメインストリートとなる。向かって左の谷に向かって、網目状の細い路地が不規則に伸びる。

小さな民家ような入口に一瞬とまどう


 カーサ・イベーロは、アルプハラスの素晴らしい伝統料理を、レストランの料理に再生した、意欲的な店だ。


 小さな村なので適当に歩いていても、どこかで必ず「Casa Ibero」の方向を示す小さな手書きのプレートが見つかるはずだ。
 人通りも少ない、白いベルベル起源の街の中のに、可愛らしい表札を見つけるだろう。
 民家に入ったような佇まいに一瞬とまどうが、薄暗く狭い階段を上がると、白壁と太い木の梁が柔らか気な部屋に行き着く。レストランというより、小ぎれいな山の食堂といった趣きだ。

コロッケも付け合せも全て野菜から


山で採れる地元の素材から作った料理

地元の素材で作る伝統のスープ

菜のパテ類、羊、鶏、香辛料、野菜を使ったメインの皿やクスクスなどのアラブ・ベルベルの料理を中心とした、地中海の田舎料理がメニューに並ぶ。
 始めに野菜のコロッケにアルプハラ風のスープ。どちらも在り来たりの素材だが、新鮮な野菜や地元のハムで作った高い完成度の一皿で、味と彩りとをしっかり楽しめる。

手近な素材を一皿に盛った山の食事

 メインには、プラート・アルプハレーニョ(plato alpujarreno)を注文してみたい。アルプハラス地方の食材だけで作った、地元民の普通の食事だ。チョリソー、モルシージャ、ハモン・セラーノ、それに目玉焼きとポテトと野菜とが大皿に盛られた、それだけで食事になるボリュームある料理だ。
 モルシージャとは豚などの血を野菜や香辛料と共につめたソーセージで、スペインでは一般的な食材で、大雑把に言えばレバーを食べるような感覚だ。

ナスと木の実と蜂蜜で作る不思議なデザート

 デザートは、せっかくなので、地元の名物ベレンヘーナス・コン・ミエル(berenjenas con miel)を試してみたい。半分に割った大きな揚げナスに、山で採れた木の実と蜂蜜をたっぷり掛けたものだ。料理としては十分おいしいのだが、デザートとしてはそれほど甘くなく、たっぷり食べ応えがあるので、メイン料理のような感じの、不思議なデザートだ。
 最初から最後まで野菜たっぷりの、ヘルシーな山のフルコースだった。
 コスタ・デル・ソルの判で押したような料理に飽きたなら、ぜひ立ち寄ってみて欲しい。

Casa Ibero(カーサ・イベーロ),
Calle Parra 1, Capileira, Granada 18413, Spain., (-->地図64
Tel: +34 653 935 056,
店舗URL: http://www.casaibero.com/
紹介URL:
営業時間: 夜
休日: 日曜
カード可,
麓から上る車道が村に入ると、村落は主として左手下方の谷に向かって開けている。左手に分かれるドクトル・カスティージャ通り(Calle del Doctor Castilla)を200メートルほど進んだ、カルバリオ広場(Plaza Calvario)が村の中心だ。さらに左手に少し下ると村の教会があるエスクエラス通り(Calle Escuelas)、それと並行してもう一段谷側を走る通りが、カーサ・イベーロがあるパラ通り(Calle Parra)だ。小さな村なので、ところどころにある小さな手書きのサインを追っていけば着けるだろう。

2009.6.21掲載