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3. オリーブ(実)

 オリーブはオイル同様、食べられる薬味として大変良く使われますし、そのものを料理としても食べます。地中海地方の市場ではたいていオリーブの実屋(?)がお店を広げており、いろいろな品種、熟成度、加工法のオリーブを、食品として売っています。
 基本的には、さっぱりした味の未熟果の緑と、濃くのある風味の熟したタイプの黒の2種類となります。

 国内でオリーブを食べた方で、まずいっ!と感じた方はいらっしゃいませんか。私もその一人です。国内に入っているオリーブの殆どは向こうで食べられている「オリーブ」ではありません。
 オリーブには塩漬けと酢漬けの二通りがあり、さらに漬け込みの程度により分けられます。現地では塩漬けまたはマリネ(浅い酢漬け)にして生ものとして扱います。一方缶詰・瓶詰などの保存食としての加工法が強い酢漬けです。日本に入っているものの殆どすべてが強い酢漬けであり、つまりオリーブを原料にして作った漬物と言うことになります。これが先ほど「オリーブ」ではない、といった理由です。一方塩漬けやマリネのほうは、本来の味が比較的残っていますが、やはり生ものだけに鮮度が気になります。
 輸入物のオリーブの缶や瓶の表示を良く見てください。殆どの場合酢漬けとなっていますが、ごくまれに塩漬けが見られます。現代の加工技術では塩漬けでも缶詰にすることは可能ですが、とにかく日にちが経ってしまっており、あまりおいしくありません。

 そこでお勧めするのは、国内産の小豆島のオリーブです。すでに述べたように、オリーブは鮮度が大事ですので、産地や品種の影響があるのは確かですが、とにかく新しいものが手にはいる国内産をお勧めします。一度食べていただくと、輸入物との味の差は歴然です。私もこの小豆島のオリーブを使い始めてから、ようやくオリーブを使った料理を作ることができる様になりました(それまではよい料理が出きませんでした)。ただ季節物ですのでどうしても入手できる時期が限られてしまいます。
 買いに行くのは大変なので、私は小豆島観光旅館協同組合(電話0879-62-1224)さんから通販で購入しています。新漬け(緑)が1袋600円、缶詰(黒・写真)が1缶250円です。また東京・新宿の高島屋でも小豆島産オリーブを販売しています。緑の新漬けはそれだけ食べても十分おいしく、また黒の缶詰も鮮度がよいので料理で使うのに適します。ただし緑の新漬けは、収穫が秋ですので、秋から次の春にかけてしか販売しておりません。また恵比寿ガーデンプレースの三越食品コーナーで、浅めに漬けた輸入酢漬けオリーブが販売されています。
 最近、ギリシアのカラマタ種のオリーブが確実に買えるルートを見つけました。しっかりとした歯ごたえと程よい酸味があり、輸入物としては品質も上場です。サラダなどに使えば、かなりおいしく食べられます。輸入食料品店で直接買えるほか、川口貿易のページでも購入できます。またギリシア製品輸入協会・ギリシア館(池袋ワールドインポートマート6F、電話03-3983-3610)で販売されているオリーブは特に高品質な塩蔵品で、肉厚のオリーブの味わいは最高です。
 最新情報(2000.09.24)ですが、新宿伊勢丹にはいっている高級食材店イル・サルマイヨで、生のオリーブが売られているのを見つけました。高級店だけあって残念ながら、ハーブ等で味付けしてしまっているのが多いのですが、素朴な塩漬けのものも、黒、緑それぞれ1種類ずつはありました。お値段も100gで550円〜600円と最高級でしたが、日本では手に入れにくい点で重宝します。