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5. モッツァレラ

 モッツァレラは最近日本のスーパーでも良く見られる、ピザをはじめ料理に用いられる、トロッとしたチーズです。しかしナポリ以南の地方では、ちょうど日本の豆腐のような感覚でしょうか(味もやや似ています)、これを生で食べることがむしろ多くなります。
 しかしスーパーで買ってきたモッツァレラは、日本産のはもちろん、イタリア直輸入のものでもなぜか味がおかしい。どうしてなのでしょうか。

 モッツァレラとは本来、水牛の乳から作ったチーズを指す言葉でした。しかしその代用品(フィオール・ディ・ラッテ)が法的にモッツァレラと呼ぶことを許されて以来、手軽な牛乳から作ったモッツァレラが多く出回るようになったのです。日本産のものは全て、また最近はイタリア産ですら牛乳から作るものが多くなっています。
 ピザや料理に使うときは、牛乳からつくったモッツァレラの方が、乳糖の甘味が出ていい味を出します。有名なナポリのサラダ、カプレーゼを始めとする生食の場合は、豆腐に砂糖を入れたようなおかしな味になってしまいます。水牛から作った本来のモッツァレラは、むしろカゼインの微妙な苦味が独特の味わいをかもし出し、サラダに使うと最高です。

 従来日本では入手できないのが悩みでしたが、最近、新宿・伊勢丹クイーンズシェフで1個(125g)680円で販売されているのが発見されました。販売停止にならないよう、お近くの方はぜひお買ってみてください。