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イベリコ豚の本場の老舗レストラン
Nicolás
ニコラス
(メリダ −スペイン)
市場の向かいという絶好の立地

黄色い日除けのある古い建物

ーマ遺跡都市として有名なメリダの中心部にあるニコラスは、50年以上続く老舗の郷土料理店だ。
 経済発展と観光ブームに沸くスペインでは、レストランもお洒落な店、お手軽な店が増えており、本当に美味しい地元料理を出す店を探すのは意外と難しい。

 木をふんだんに使った内装が、落ち着いた雰囲気を醸し出す


 ニコラスは、伝統ある店にもかかわらず、質の割りにリーズナブルな価格とアットホームな雰囲気で、期待を裏切らない。
 半地下になった1階ではタパスが出され、そして2階がレストランになっている。
 内装や家具は木をふんだんに使った落ち着いた雰囲気で、スタッフは気取らずにテンポ良く動いている。

調理法はシンプルだが、食材と加熱で勝負

しっかりとダシがきいた卵と野菜スープ

材は間違いなくいい。それもそのはず、道の向かいは市場だ。日本では珍しくなった市場(倉庫風の大きな建物にある食料品の専門店街)が、南欧の都市には根強く残っている。そこで仕入れた肉・魚・乳製品・野菜を使った料理は、肉や魚介類のグリルや鉄板焼にしても、明らかに旨い。
 スペインのレストランらしくタパスやソパ(スープ)が充実しており迷う。名物のソパ・エストレメーニャ(Sopa Extremeña、パン屑入りニンニクスープ)も気を惹かれるが、暑い日にはソパ・デ・アホも捨てがたい。卵を落とした野菜スープのダシのきいた柔らかな風味も、格別だ。

 イベリコ豚のソテーは、最適な火の通りでジューシー

 ここエストレマドゥーラ地方は、有名なイベリコ豚の産地として有名だ。ハモン・イベリコを試さない手はない。
 地元のチーズ類も、種類が豊富で質が高い。日本で言えばサラダや豆腐の感覚で注文する人が多い。
 メインディッシュは、ソテー、鉄板焼、グリル、煮込みなど、一軒単純な調理法が多いが、それだけに奥が深い。火の加え方、調味料やソース・付け合せの選び方で、出来がまったく違ってくる。
 そしてレストランは、それぞれオリジナルの技法やアイディアを誇っており、どれも家庭では真似のできない一皿となって出される。

内陸の街だが、エビの鉄板焼きも新鮮で旨い

 この店の定番料理は、イベリコ豚のソテーや羊の煮込みなどだ。ソテーは一見豪快な料理だが、見た目とは反対に焼き加減、味加減は繊細だ。ベストの火の通り具合を良く知っている。
 旅行中の毎日続く肉料理に飽きたなら、市場から仕入れたばかりの魚介類も悪くはない。
 種類豊富な地元の赤ワインのリストは、全てが日本にほとんど入らないエストレマドゥーラのもの。スタッフに相談すれば、料理に合うお手ごろな一本を選んでくれる。

 クレマ・カタラナに乗せたビスケットはトロトロに溶けている

 デザートはトチーノ・デ・シエロ(tocino de cielo、黄身のプリン)、フラン(プリン)、クレマ・カタラナなど、当地の定番品が中心。どれも良く冷えていて柔らかく、味がしっかりしているのにふわっとした感じが特徴だ。
 エストレマドゥーラは、アンダルシアと内陸部の文化の交差点として知られる。料理もまた然り。地中海と山の味覚のハーモニーを、ぜひメリダの街で味わいたい。

Nicolás(ニコラス),
Calle Félix Valverde Lillo 13, Mérida, BA 06800, Spain., (-->地図62
Tel: +34 924 319610,
店舗URL:
紹介URL: http://merida.portaldetuciudad.com/restaurantes-donde-comer/nicolas/002_736.html
営業時間: 昼、夜
休日: 日曜夜
カード可,
メリダ市一の繁華街、サンタ・エウラリア通り(Calle Santa Eulalia)のすぐ北を並行して走るフェリックス・バルベルデ・リジョ通り(Félix Valverde Lillo)の、市場の向かいにある黄色い日除けのレストラン。駅からは、街の方へ真っ直ぐ500メートルでわりと分かりやすいが、途中に五叉路や三叉路があるので地図は必要。

2009.5.17掲載