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絶景とトリュフを楽しむ小さな村の食堂
Pod Voltom
ポド・ヴォルトム
(モトヴン −クロアチア)♦
丘の上の村の風通しのいいロッジァでの食事

町を守る城壁に店舗を構える食堂

トヴンは、クロアチア東端にあるイストラ半島東部の、イタリア領時代が長く文化的にイタリアに近い小さな町だ。
 また農業が盛んな内陸部は、ワイン、ハムの産地、そして白トリュフの産地として名高く、食材にも恵まれている。イストラ半島は、知る人ぞ知るグルメスポットとして名を馳せている。

城壁脇のどっしりしたロッジアで優雅な食事が楽しめる

 ヨーロッパでは戦争などで国境に近い都市は所属する国が変わることが珍しくない。モトヴンもまた、元々モントーナと呼ばれていたイタリアの村がクロアチアに組み込まれた歴史を持つ。
 当然、郷土料理はイタリア料理そのものだ。しかも、この地方独特のパスタやスープなどがあり、クロアチアでしか食べられないイタリア地方料理、という何とも珍しいメニューもある。
 丘の上の村モトヴンは、周囲を深い緑の森に囲まれている。村へと登っていくと、城壁の端に、東屋さながらの形をしたヴェネチア領時代のロッジァが残っている。あたかも、遥か足元の谷を見下ろす展望台であるかのようだ。

ロッジアの席は、周囲の山々の風景と涼しげな風で食が進む


 その城壁に埋め込まれたスペースに、手軽なレストランがある。それがポド・ボルトムだ。
 夏なら、すぐ隣にある絶景のロッジァに席を取りたい。歩いて10秒のレストランから、すぐ料理を運んできてくれる。


白トリュフにイストラのハムとチーズ。山の幸ざんまいのひととき。

イスタルスカ・プラタは地元の山の幸の盛り合わせ

元の食材から作られる料理は、すべて山のものだ。前菜には、地元のプルシュト(プロシュート─生ハム)、羊のチーズ、またさすがこの地の特産だけのことはあり、チーズのトリュフ掛けという贅沢なメニューもある。
 そしてパスタも特徴的だ。手打ちパスタのFuži(日本語にない音をむりやり書くと「フジ」?)、ニョッキがこの地方のスペシアリテだ。特に薄い筒型のフジは、軽い食感で、ソースの味や香りをよく引き立てる。だから、粗挽きした白トリュフを贅沢に掛けたフジは最強のコンビネーションだ。イタリアより全然安いので、ぜひ試してみたい。

貴重な白トリュフをたっぷり散らした「フジ」

 肉料理では、ローストビーフのトリュフ掛け、季節が合えばジビエがお勧めだ。
 イストラはワインの産地としても有名だ。マルヴァジア種の白ワインは広くイタリアで栽培されており、比較的安いワインに使われることが多い味や香りが大人しい品種と思われている。
 しかしクロアチアのマルヴァジアには驚かされる。別の品種と思うほど、力強くパンチのある濃い味がある。何でも皮まで漬け込む発酵法により、全く違った味が出てくるとのことだ。村にはお土産用のワインショップが何軒かあるので、気に入ったら帰りに買っていくのもよい。

Pod Voltom(ポド・ヴォルトム),
Trg Josefa Ressela 6, Motovun, 52424, Croatia., (-->地図67
Tel: +385 052 681 923,
店舗URL: pahovic@net.hr(メールアドレスのみ)
紹介URL:
営業時間: 11-22h
休日: 水休
カード可,
丘の上の村モトヴンへと第一の城門をくぐり、さらに坂を上ると第二の城門がある。その第二の城壁に組み込まれた食堂なのですぐ分かる。

2010.7.25掲載