"地中海,レストラン,イタリア,ジェノヴァ,ジェノバ,ゼッフィリーノ,Genova,Zeffirino"
一流店なのに、とても暖かみのあるもてなし
Zeffirino
ゼッフィリーノ
(ジェノヴァ −イタリア)♦
イタリア一の「ペスト」

スペシアリテはパステッリ(ラヴィオリ)のジェノバ風

ェノヴァの食を語るのに、ゼッフィリーノを抜きにしては語れない。名店というよりは、むしろ名物レストランと言った方が良いかも知れない。
 1939年の創業以来、ジェノヴァの食の中心であり、ローマ法王、テノール歌手パヴァロッティ、フランク・シナトラなどの超大物が訪れるに相応しい風格がありながら、シェフのベッローニは、気さくで暖かいもてなしを、通り掛かりの観光客にも分け隔てなく与えてくれる。
 それが、長年人気を保ってきた秘密なのだろう。


階段を上がった二階が入口


 リグリア地方は、比較的天候の安定する夏でも、冷たい雨が降ることは珍しくない。
 そんな寒い夏の午後、ファーストフード以外の全てのレストランが閉店している3時近くに、有名なレストランが突然訪れた私たちを歓迎してくれた。それだけでも、大いに感激するところだ。

木をふんだんに使ったクラシカルな店内


 店内は、クラシカルな内装で、木の温かみを基調に絵画やアンティーク家具が落ち着いた雰囲気を醸し出している。
 額に飾られた数々の賞状が、世界的な評判を勝ち得た事実を物語っている。
 それなのに、スタッフの家庭的な接客によって、十分にリラックスして食事を楽しむことが出来る。


手打ちパスタと魚料理が特徴

一ひねりずつ手作りされたトロフィエのペスト和え

かしい名声とは裏腹に、料理は家庭的で伝統的なリグリア料理だ。店の名を広めたのは、イタリア一との評判がある「ペスト」だ。
 英語のペーストと同じ語源の言葉だが、イタリアでは単に「ペスト」といえば、「ペスト・アッラ・ジェノヴェーゼ」(ジェノヴァ風ペースト)のことを指す。
 ペストは、ジェノヴァ料理の基本とも言うべき、新鮮なバジルの葉をすり潰した緑のソースのことだ。ニンニク、松の実を加え、さらにチーズ、オリーブオイルを加えてペースト状に纏めるが、その種類と分量が出来を左右する。それぞれの素材が一番良く調和して、滑らかな口当たりになる配合がポイントだ。



ハーブと豆を丁寧に煮込んだ本日のスープは、見た目以上の美味しさ


 もちろん良質なことで名高い、リグリアの最高級のオリーブオイル、そして何と言っても質の良い若いバジルの葉が必要なことは、言うまでもない。
 同じペストでも、東西に長いリグリアの地方によって味が異なる。レバンテ(ジェノヴァ東方)では、パルマが近いためチーズは味の濃いパルメジャーナを使いニンニクは弱めに、逆にポネンテ(ジェノヴァ西方)では塩辛いペコリーノチーズを使ってニンニクを聞かせるプロヴァンス的な味になる。
 中心にあるジェノヴァのここゼッフィリーノでは、パルミジャーノとペコリーノを2:1の割合で使用している。

気品がありながらリラックスできる雰囲気

 まずは、毎日作られるフレッシュパスタを頂きたい。ここでしか味わえないパッステッリ(passutelli、リコッタ、ハーブ、フルーツを詰めたラビオリのペスト和え)は、絶妙な味のバランスと、ボリューム感が魅力的だ。
 また極細のねじりパスタ、トローフィエ(trofie)のペスト和えは、軽くてつるっと食べられる一皿だ。

エスプレッソはお洒落なガラスコップで

 一緒に頂いた本日のスープは、ハーブたっぷりの緑のスープながらも、溶け込んだ豆としっかり効いたブイヨンのために、見た目とは違った深い味わいだった。
 イレギュラーな時間に訪れたため、残念ながらここで食事は終わりとしたが、ゼッフィリーノは魚料理が得意だという。ぜひ、お試しいただきたい。

Zeffirino(ゼッフィリーノ),
Via XX Settembre 20, 16151 Genova ITALY., (-->地図54
Tel: +39 10 591990,
店舗URL: http://www.zeffirino.com/,
紹介URL:
営業時間: 12-24h,
休日: 無休(水休の説も),
カード可,
店はとてもわかりやすい場所にある。ジェノヴァの中心点である総督邸前のデ・フェッラーリ広場から東へどこまでもまっすぐ9月20日通りが延びている。銀座通りといった感じのアーケードのある賑やかな通りを5〜6分進むと、アンドレア・ポデスタ通りの下をくぐる。唯一の立体交差なので間違うことはない。くぐって直ぐ右側に店へ上がる階段を見つけることができる。ジェノヴァ・ブリニョーレ駅からも近い。駅前の森のような公園を抜けて9月20日通り(カドルナ通り)に出ればよい(徒歩約10分)。

2008.3.22掲載