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Châteaux de la Chèvre d'Or
シャトー・ドゥ・ラ・シェーブル・ドール(3)
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良く手入れされた古い民家のような、思わずほっとする客室

フロントでキーを受け取る

 石造りの古い家には何の表札もないがホテルの部屋らしく、入口を入りすぐの階段を上がった2階の扉を開けると客室だ。
 フロント棟と村の歩道を挟んで山側の建物で、宿泊客は通行できないが、構造的にはトンネル状の村の歩道に覆い被さる形で繋がっているようだ。

ンチの間に、部屋の準備も整った。フロントでキーを受け取り部屋に案内される。予約したスーペリア(Superiom room)は、中級クラス(8段階のうち下から3番目)の部屋。フロント棟を出て、村の歩道を上へ登って30メートルほど。


客室の外観は、村の通りの何の変哲もない一軒の民家



3人目のゲストが使うこともできる、扉を開けてすぐの部屋

 スーペリアの30号室は、2部屋+ゆったりしたバスルーム、の構造になっており、目の前にフロント・レストラン棟が広がるながら、その後ろに海も見える。
 扉を開けてすぐの村の歩道に面した部屋は、天井に梁が剥き出しの素朴さを残した部屋で、壁に絵が飾られ、アンティークのソファー、タンス、机が置かれた、わざと照度を落としてあるので暗いが、昔ながらの雰囲気が濃い部屋だ。

余裕の広さのベッドルーム、窓際はアンティークが揃うリビングコーナーに

 扉なしでそのまま海側のリビング兼寝室に繋がっている。広さには余裕があり、中央に2つ並んだアンティーク調のアイアンベッド、木製のタンスや机がある。
 窓際は床が一段上がったリビングコーナーになっており、クラシカルなピンク地のソファーセットがおかれ、室内でそこだけが光溢れるコーナーになっている。

メインレストラン越しのシービュー

 窓の外にはブーゲンビリアの花が伸び、目の前はちょうどメインレストラン、サロンなどに塞がれているが、その左側の恐らくハイクラスの客室棟の屋根越しに水平線が見える。
 予約文書にあったオーシャンビューの言葉通りとは言えないが、気になるほどの閉塞感ではない。


ピンクの大理石がゴージャスなバスルームには、高機能ジャグジーが




ウェルカムセットは、ティータイムにぴったり

 バスルームは素晴らしく、ピンクの大理石張りの室内には、トイレの他。洗面台が2つ、それに本格的なジャグジー付きのバスタブ。アメニティグッズはとても充実している。
 入室すると少し待っているように言われる。しばらくして運ばれてくるのが、豪華なウェルカムセットだ。プチケーキに絞りたてのオレンジジュース、どちらもとても美味しいが、昼食後の胃袋にはもう入リ切れない。


長い午後は、テラスでのリラックスタイム

自然と一体化した、色彩溢れるパブリックスペース

ブリックスペースには、宿泊者だけが立ち入ることができ、レストランやバーコーナーへの沢山の訪問客を気にせず、寛ぐことができる。
 その3次元に広がる開放感は、地中海のどのホテルにも勝る、一番の特徴に違いない。たとえ最高級の部屋に泊まったとしても、眼下の青い海へと落ち込む南斜面に点在する、ホテル内のリラクゼーションスポットで、のんびり日中を過ごす選択肢を、見逃す手はない。


暑い夏の午後、体を湿らすのにちょうど良いプール

 ホテルは、岩山に張り付くようなエズ村の南側斜面の下方、一番海に所に位置している。つまりホテルの下は海まで何もない岩がちな急傾斜が続いているわけだ。
 そこを利用して、庭園、遊歩道、休憩コーナーが整備され、リクライニングチェアーやパラソル、そしてクッションの良く効いたソファーまでもが配置されている。


プールから続くテラスのデッキチェア。頭上から足元まで青一色。

 そこここにタオルが並べられ、自由に利用できる。また斜面の途中に、プール、ジャグジー、ジム、サウナなどが設置され、これらは網の目のように歩道で繋がれている。
 パブリックスペースの最上部は、フロント・メインレストラン棟であり、その一角のサロンから、昼食用レストラン「レ・ランパーツ」のテラスが続いている。さらにその先は新造された喫茶コーナーらしい席が、斜面に沿って下方向に段々に続いているようだ。この喫茶コーナーからの景色も大変素晴らしい。


下に向って垂直方向に展開するテラス



涼しい木陰で本を読むのも良い



お気に入りの場所を見つけよう


広い敷地内の随所に、さり気なくタオルの用意が

 「レ・ランパーツ」の上側のテラスはローマ風の庭園になっている。あづまやの赤い瓦屋根上にミニチュアの岩山があり、その上にホテルの象徴である黄金に輝く山羊のモニュメントが青い海に向けて睥睨している。ここは村内の歩道を歩く観光客から見える場所なので、落ち着かない。

黄金の山羊が、最上部のテラスから一帯を睥睨する

 一方一段下のテラスは、斜面に沿った細長い園地になっていて、その一端は駐車場まで続いている。
 花の咲き誇るよく手入れされた庭園には、湧き水が流れる水汲み場や、風見鶏のある泉などがあり、テラスの下付近は長さ十数メートルのひょうたん型のプールがある。プールサイドにビーチチェアが並んでいるが、大部分が空いているところがいい。
 普通のホテルであれば、空いたチェアーの確保に苦労するところだが、シェーブル・ドールでは、その心配はない。それに、まだ他に取っておきの場所がたくさんある。


海が、これだけの広さで視界を占領する


ここでは誰もがプライベートテラスを持てる


 よく茂った木々により目隠しされ、レストランの喧騒も届かないここは十分素晴らしいスポットだ。常時適温に調温されているというプールは、夏の暑い日にちょっと体を湿らせたり、子供連れの宿泊客が時間を過ごすのにちょうど良い。


アウトドアジャグジーの水面は、海と一体化する

 プールから続く、その先のテラス一帯は、デッキチェアーが点在するので、自分にぴったりの場所を探すと良い。足元まで落ち込む崖下の青い海の風景を楽しみながら日光浴をするも良く、松の木陰で静かに読書をするのも良い。
 プールからさらに下ったテラスは、フィットネスジム、サウナなどの設備が、自然に配慮して目立たぬように点在している。この付近も随所に、クッション付きのゆったりした籐の椅子がさり気なくおかれ、海を眺めながらの安らいだ時を楽しむことができる。
 その下には絶景のアウトドアのホット・ジャグジーがある。ウッドデッキに埋め込まれたジャグジーに身を沈めると、水面と水平線が一体化して、まるでビーチにいるような気分になる。


眼前に海と空しかない、一番下のテラス


 この先まだまだ下り道は続く。
 最下部のウッドデッキは、籐のチェアーセットや、ソファー、ベッド、パラソルなどが揃っている。行きどまりのため誰も来ない静かな場所で、一番広い海の視界が楽しみながら一日中リラックスできる人気のテラスで、いつも埋まっている。