Domina Home Piccolo -The Mediterranean Life /地中海生活

豪華なヴィラを改装したプライベート感覚の建物

リグリアの典型的なヴィラをそのまま生かしたホテル

憧

れのリゾート、ポルトフィーノ。小さな漁村の雰囲気はそのままに、高級ブランドの店が並ぶ、お忍びリゾートの定番だ。
　しかもホテルがわずか数軒しかないことが、その希少価値に輪をかけている。
　ドミナ・オーメ・ピッコロは、賑やかなポルトフィーノの港から続く、隣りの緑に覆われた静かな入江にある。

美しいポルトフィーノの静かな入江にあるドミナ・ピッコロ（右端の入江奥の海に面した建物）。その上のピンクの大きな建物が有名なスプレンディード、市街地の上の山の中腹にスプレンディード・マーレ。

　３軒ほどのヴィラが点在するが、その一軒を改装してホテルにしたものだ。
　イタリアのホテルチェーン、ドミナ・グループの一軒だが、チェーンの画一的なイメージを全く感じさせず、立地、建物、サービスともとても個性的だ。
　逆に、イタリアでは貴重なことなのだが、予約を始めとする信頼できるオペレーションがありがたい。以前はドミナ・イン・ピッコロと呼ばれていたが、チェーンのブランド整理に伴い今年からドミナ・オーメ・ピッコロに変わっている。

モダンで快適なリビングは十分な広さがある

部屋の奥まった部分をうまく利用したベッドコーナー

最上階の307号室のテラスでの、松林に覆われた美しい入江の眺め

ズシリと重みのあるルームキー

　広くて眺めがよい部屋でも200ユーロ台（3-5,10月）という料金設定は、最高級のリゾート地としては大変リーズナブルだ。

窓から見えるホテルのプライベートビーチと、お隣の立派なヴィラ

ポ

ルトフィーノは、近くの町サンタ・マルゲリータ・リグレから、松林に覆われた海岸に沿って続く一本道の終点にある。
　その道に沿いにあるホテルは、村に入る300メートルほど手前に、すぐに発見できる。船で村まで行って、戻ってくるのもよい。
　元のヴィラの構造を活かしているため、一部屋ごとに複雑な間取りをしているのが面白い。多くの部屋から海が望め、広くゆったりとしたジュニアスイート仕様になっている。
　特に最上階の３階の307号室は、海に面したテラスからの眺めが美しい。松に覆われた美しい海岸線、個人所有と思われる瀟洒なヴィラ、そしてポルトフィーノを見下ろすように丘の上に聳えるブラウン城が良く見える。
　　外に出てホテル裏の山の斜面を見上げると、当たり一帯を見渡すように、大きなピンク色の建物があるのが見える。上流階級が集うことで有名な、超高級リゾートホテル「スプレンディード」だ。

小さいながらリグリア地方では貴重な浜辺をプライベートビーチとして持っている

黄昏を迎えたビーチのテラス

　嬉しいのは、プライベートビーチだ。岩がちのポルトフィーノ近辺は殆ど開けた海岸がない。しかし、入江の奥のホテル前だけは、小石を敷き詰めた綺麗な浜になっており、斜面のあちこちに設けたテラスには、自由に使えるデッキチェアが並んでいる。
　ポルトフィーノにいながら一日海で過ごすことができるのは、このホテルだけの特権だ。

　食事はこのホテルのレストランで取ることもできるが、海岸沿いにほんの数分の散歩で、超リッチな上流階級の客が行き来する、村の中心街に出ることができる。
　小さな港の岸壁に並ぶ可愛らしいテーブルで、洗練されたリグリア料理を味わうのも良い。やや高めの価格設定ではあるが、アットホームな中にどことなくスノッブさを漂わせた村の雰囲気を楽しみたい。