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楽園のようなサリーナ島の、究極の地中海リゾート
Signum
シニュウム
(マルファ −イタリア)♦♦
都市生活とは全く別の時間が流れるサリーナ島


静かなプールサイドは、海の眺めのよい特等席


中海のリゾートの中でも究極のリゾート、それの一つがシニュウムであることは間違いない。
 リゾート地として有名なエオリエ諸島は、ティレニア海に本土から離れてポツンと浮かぶ火山島群だ。都会の喧騒を離れてクールダウンし、歩みのゆったりした1週間を送れることで人気が高い。上質な時間と空間を提供する自然とリゾートホテルとがこの諸島にはある。


普通車が入れない路地に面した、驚くほど素っ気ないホテルの入口


 サリーナ島に行くのは意外と難しい、というより手間と時間がかかるのだ。
 これらの島々には空港がない。また道路はあっても、フェリーが少ないうえ本土から遠いため車は少なく、島によっては道路すらない。
 主な島は7つあるが、サリーナ島は諸島の中心にあるので、どの方向から行くにしても、船は他の島を経由していくか、乗り換えていくことになる。

安らかな心地よさを約束してくれるキー

 シチリア島北部のミラッツォの港から行くのが最も近いのだが、それでも高速船で1時間半はかかる。しかもミラッツォに行くには、一番近いカターニャ空港からは約120キロの道のりがある。さもなければナポリから夜行船に乗っていくしかない。
 シーズン中なら、ナポリ、パレルモ、レッジョ・カラブリアなど空港のある街から高速船が運航されるが、それとて揺れの激しい3〜5時間の船旅を余儀なくされる。

ここでは心からのリラックスが保証される

海の眺めがよいテラスは、ホテルのゲストが集まる広場

とんどの船が、島の中心の港サンタ・マリーナ・サリーナに寄港するので、ここで下船する。
 ホテルは、数キロ離れたマルファという村にある。路地奥の分かりにくい場所にあるのでタクシーに乗ったほうがよい。村の教会広場を過ぎた少し先で車から降りるよう言われるが、周りには小さな民家があるだけだ。
 軽自動車でなければ通れぬ細い道を運転手の案内に従って歩いて進み、200mほど行ったところにようやく農家か何かのような本当に小さな門が見えるのだが、思わず「えっ、これがリゾートホテルの玄関?」というほど目立たない。しかし、ここが広大なホテルの敷地の入口なのである。


朝食バイキングの食材の質は驚くほどよい


田舎風ヴィラのようなデラックスツインのテラス


 頼りない小路を奥へと進んでいけば、徐々に周りに手入れが行き届いた庭や建物が現れはじめる。敷地内部には、エオリエ諸島風のイグサの庇のついたテラスがある客室やホテルの施設が点在している。



テラスの一段下がった部分は、カフェスペース


 眺めの良い本棟の部屋や、海を望む静かな離れの部屋など、16室のうち同じ部屋は一つとしてない。
 断然お勧めしたいのは、敷地の一番奥、少し下ったプール近くの静かな一帯にある、白壁の一軒家風のテラスハウスの一室だ。レモンの木や、芳しい種々の花々に囲まれた、楽園のような隠れ家だ。

レモンの木と花に囲まれたエオリエ風建築のデラックスツイン

 イグサを渡したひさしの上からブーゲンビリアの咲き揃うテラスには、アラブ風デザインを受け継ぐシチリアタイルを貼ったひんやりした石のベンチと、ゆったりした青い布のリクライニングチェアー。そこから見えるのは、青いティレニア海と遠方にはパナレア島。
 室内はあくまでも広々してゆったりしており、白を貴重に統一されたインテリアがそれを引き立てる。こんな環境で1週間を過ごせば、体も心もすっかりリフレッシュすることは請け合いだ。

日中のテラス。パナレア島、ストロンボリ島の大きな眺め

 一番海に開けた広いテラスは、特に夏の間は、ホテル生活者にとっての公共広場であり生活空間となる。
 三度の食事はもちろんのこと、涼しいタープの蔭での読書やおしゃべり、一段下がった陽光をいっぱいに浴びるテラスのベッドでの日光浴もいい。
 前方に広がるティレニア海、後方に聳えるのは円錐型をした緑のモンテ・フォッサ・ディ・フェリチ、ここに居るだけで、大自然に抱かれて思わず自分の小ささを感じてしまう、天然のリラクゼーション・スペースだ。

プールサイドからは青い海の眺め、緑濃い山の眺め、どちらも美しい


 朝食をとりにテラスにあがり、ぶどう棚の下の素朴なラッシュ編みのダイニングチェアーに席を取る。石のテーブルが涼しげだ。
 気兼ねないバイキング方式なので、今日の暑い一日に備えて、好きなものを好きなだけ食べておこう。
 そのメニューの豊富さは並大抵ではなく、ハム、チーズ、パン、ジュース、ジャム、フルーツなど、それぞれ専用のテーブルが用意されている。しかし素晴らしいのは、その質の良さだ。レストランで出されるレベルの食材や、取りたての新鮮な果物は、いつまでも食べ続けていたくなるほどの美味しさだ。

そのまま海に溶け込んでいるようなプールの水面


 夏であれば、暑い日中はプールサイドで過ごしたい。テラスとは本棟を挟んで反対側の敷地に、造形的な型をした真っ青なプールが用意されている。流れ落ちる水が海に落ちていくように見える設計になっており、まるで海と一体化したように見えるセンスの良いデザインだ。水中に入るとまるで海で泳いでいるような気分になる。

 日差しで暑くなった肌に、水の冷たさが気持ち良い。喉が渇いてもバーが併設されているので心配がなく、スタッフが体を拭いて濡れたタオルもさり気なく交換してくれる。

日が暮れると、島は闇に包まれる


夜が更けたテラスは、落ち着いたレストランになる

ルファは、小さな島の中を見て回るにも便利な場所だ。プールのさらに下、ホテルの裏口から村に出れば、この島の雰囲気を肌で感じられる。山から海へと続く緩やかな斜面には、特産のデザートワイン・マルヴァジアを生み出すブドウ畑の間に点在する、美しい庭とテラスのを持った家々や別荘の風景が広がる。道は小さなマルファの港へと続いている。


ディナーはシンプルで自然食のようなメニュー


ピスタチオのケーキ


 映画「イル・ポスティーノ」の舞台となった村、ポッラーラへは、この村との間を往復する乗合バスで10分ほどだ。


 海と山の青さが闇に溶け込むと、ホテルのテラスはこの村一番のレストランに早変わりする。白い壁と年月を経た太い木の柱が明かりに照らされて、涼しい風が通るのに温かみのある空間となる。
 料理は、いかにもシニュウムらしい、素材を活かした飾り気のないリチェッタ(レシピ)だ。名を知られた料理人の特別な一皿というわけでもなく、今日一日の疲れを取り、明日の滋養を養うために、肩の力を抜いて味わいたい。
 カジキマグロのカルパッチョ、パスタ、魚介のグリル盛り合わせ、ピスタチオのケーキが手際よく運ばれてくる。


クラシックな扇風機の微風が心地よい眠りを誘う






 月明かりを頼りに部屋に戻り、夜の静けさの中に身をおく。天井のクラシックな扇風機の大きな羽が作り出す微かな風と共に、心地よい眠りに就く。

 夏のサリーナ島には、スローライフを求めてヨーロッパ中から人が集まってくる。船やホテルのキャパシティーが限られているため大混雑は起こらないが、その分満室・満席などに遭遇しやすい。また費用も自ずから高くなる。ならばシーズンオフに行けばいいのではという考えもあるだろうが、この島の魅力は、海と太陽と大自然であることを忘れないで欲しい。この島を、そしてこのホテルでの生活を楽しむのなら、やはり夏をお勧めしたい。

Signum(シニュウム),
Via Scalo 15, Malfa 98050(ME) , Salina -Isole Eolie, ITALY (-->地図39
Tel: +39 090 9844222, +39 090 9844375
Fax: +39 090 9844102
e-mail: salina@hotelsignum.it
ホテルURL: http://www.hotelsignum.it/
紹介URL:
部屋代: 110-210ユーロ(スタンダード・ロー〜ハイシーズン)、180-280ユーロ(デラックス・ロー〜ハイシーズン)(朝食込)
代理店:
営業期間: 通年
レストラン: 併設
カード: 可
エオリエ諸島のサリーナ島へは、シチリア島のミラッツォ(カターニャ空港から約120km)からが一番近く便が多い(高速船1時間半)。夏季には他にナポリ(高速船5時間)、パレルモ(高速船4時間)レッジョ・カラブリア(高速船3時間・リパリ乗換)からも便がある。サンタ・マリーナ・サリーナ(Santa Marina Sailina)で下船し、タクシー10分。

2006.5.14掲載