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一つの島、一つの町がそのままホテルになった
Hotel Sveti Stefan
ホテル・スヴェティ・ステファン
(スヴェティ・ステファン −モンテネグロ)♦♦
一つの島が一軒のホテル



ホテル全景

ドリア海を代表するリゾートホテルといえば、モンテネグロ(旧国名;ユーゴスラビア)のスヴェティ・ステファンをあげたい。陸地からぽつんと離れた小島全体がそのままホテルになっており、俳優のソフィア・ローレン、シルベスタ・スタローン、スキーのインゲマル・ステンマルクなど顧客名簿には欧米の著名人の名が並ぶ。



落ち着いたインテリアの室内

 細長いアドリア海は、穏やかな地形のイタリア側に対しバルカン半島側は険しい山がそのまま海に落ち込む風光明媚な土地が続いている。その沿岸にあるかつての漁師が住む小島は社会主義ユーゴスラビア時代にホテル・アイランドに生まれ変わった。海岸へと通じる道路は夏は歩行者専用になるが、ホテルに宿泊することを係員に告げると入ることができる。海岸の駐車場に車をとめると美しい白砂のビーチが左右に広がっている。向かって左が一般のビーチ、そして右側がホテルのプライベートビーチだ。それを区切っているのが、天橋立のように目の前の小島へと伸びる一本の砂洲の上の細道。



朝食は海に囲まれたテラスで


 荷物は車においておけばあとでポーターが運んでくれるので、そのまま歩いて橋を渡ろう。小島に着くとすぐ城門があり、かつては侵入者を防ぐ見張りが詰めていたのだろう。今日ではたとえ宿泊客でなくとも入場料を支払えば入ることができる。このホテルはかつての漁民の家一軒一軒を改装して、島全体を客室やホテルの施設に当てているので、一つとして同じ造りがない。門をくぐって少し登るとホテルフロントに使用している一軒の家屋がある。


ここでは本物のリゾートライフを過ごそう


松林の中に佇む隠れ家のようなプール


ェックインを済ませ、ホテルマンについて村の中を進んでいく。ある一軒の白っぽい石造りの家の前で足が止まった。スタンダードルームなので二階建ての大きな家を仕切って4室に分けている。ここが今日泊まる部屋だ。広さには余裕があり、アンティークの家具が暖かい感じだ。窓からはビーチや本土の山の景色が美しい。バスルームもゆったりとしている。




島の最高地点にある教会とチャペル

 島は本当にひとつの村のような一体感を持っている。みやげ物店、バー、美術館などが営業しており、また最高地点にある教会と礼拝堂もそのままだ。教会下の、おそらくかつて村人が集う広場だったであろう場所は今は公園となり、夏ともなれば色とりどりの花が咲き乱れている。その近くにある118号室は1泊十万円以上もするスイートで、大きな家一軒がそのまま客室になっている各界の著名人御用達の部屋だ。


チャペル入口のモザイク


 朝食はレストランの海上テラスで取る。もともと要塞として作られた場所らしく、テラスの隅が海上に突き出している。その先端部に席を取れば、そこは海と山とに囲まれた贅沢なステージだ。日中の暑い時間は、島の裏側の傾斜地には松林に囲まれた涼しげなプールで過ごそう。レストランに出前を頼んでプールサイドで一日くつろいで過ごすのもよい。また観光パンフを常に飾るこの国の代表的な風景でもある、美しいプライベートビーチで泳ぐのもいい。ホテルの宿泊カードを提示すれば入場でき、青と白のツートンカラーのチェアーとパラソルを無料で借りられる。島を眺めながらの遊泳は心地よく、やや大きめの白褐色の砂が足の裏に気持ちよい。



「宿泊者専用ビーチ」



 夕方、島の東側の崖の上に立って見る。夕日に輝くブドゥヴァ市の遠景も美しいが、下方に海にせり出したステージのように広大なレストランのテラスに目を奪われる。こんなドラマチックなシチュエーションのレストランは他には見たことがない。特に海に面した部分では一面の蒼色に吸い込まれるような気分がする。さらに料理もお持てなしも満足できる島一番のスポットだ。



陽が傾き始めると、テラスではディナーのセッティングが始まる

Hotel Sveti Stefan(ホテル・スヴェティ・ステファン),
Sveti Stefan, 81315, MONTENEGRO (-->地図13
Tel: +381 86 468090
Fax: +381 86 468031
e-mail:
ホテルURL:
紹介URL: http://www.budvanska-rivijera.co.yu/engleski/index.html
部屋代: 55ユーロ〜(5月、10月)/75ユーロ〜(7月、8月)、一人当たりの朝食込部屋代
代理店: Adriatic Express
営業期間: 5-10月
レストラン: 有
カード: 可(ダイナースのみ)
モンテネグロ共和国のポドゴリツァ空港またはティヴァト空港からタクシー約1時間。他にイタリアのアンコーナまたはバーリから船(夜行)でバールまたはコトルへ渡り、下船後タクシー約1時間。

2003.9.15掲載