地中海,レンタカー
Driving  レンタカー活用法
 
利点

1. 車でないと行けない場所が多いので重宝する
2. 荷物預け場所が常に確保できる(車上狙いの盗難には注意)
3. 荷物を気にせずにみやげ物を買える(搭乗時の手荷物制限に注意)

 
欠点

1. 一人旅では割高
2. 事前予約をし指定日に指定場所で返すので、気ままな旅がしにくい
3. 首都クラスの大都市ではかえって不便

 
レンタカーの選び方

・ レンタカー会社はケース・バイ・ケースで使い分ける。ハーツ、エイビスなど大手は料金が高いが、日本の予約センターで簡単に予約できる。営業所が各地にあるので国外など長距離の乗り捨てができるのも良い。中小は比較的安く、小さな町でも営業所がある。ただし現地営業所と英語または現地語でやり取りする必要がある。旅行代理店など第三者を通す場合は要注意。連絡が止まっていたり間違っていることは少なくなく、確認のしようもない。
・ 基本料金は高いが旅行代理店などで発売されている保険つきの7日間セットなどを使うと日本より安くなることも。例えばドライビングクーポン(ハーツレンタカー、スペイン7日間)利用で1600ccクラスのマニュアル・セダンが全保険料込で約4600円/日(エアーリンクトラベル、2001年料金)。
・ 保険は車両を含めたフルコースで入るのが無難。また保険つきレンタルプランの場合、必ずどこまでがセットでどこからが任意か確認し、必要な部分を追加で加入する。日本より盗難も多く、極端な場合始めから付いていた傷に対し損傷したとして費用を請求されることも。
・ オートマ車の普及度は低い。取り扱い営業所や車種はきわめて限定され予約も取りにくいので、かなり早めの予約が必要。ただし夏季でも渋滞はそう多くなく、マニュアル車でも快適に運転できる。
・ 夏の暑い日には35℃を越えるので、できれば1600cc以上の車を借りたい。クーラーがついている可能性が高い。クーラーはオプションとして指定できないが、中級以上の車種には必然的についている。
・ 国境越えは保険対象範囲をよく確認すること。レンタカー用の契約保険の対象地域外となるため禁止されることもある(イタリア→スロヴェニア、ユーゴスラビア→クロアチアなど)。
・ なるべく日本から事前予約をする。営業所の営業時間は「その時間なら予約対応が可能」と捉えるべき。突然行っても誰も人がいないことが多く、車の空きも少ない。

 
運転マナー

運転マナーにおいては、日本とヨーロッパではいくつかの大きな違いがある(8カ国約7500kmの走行経験から)。

・ 信号や一時停止は厳格に守る。例えば黄信号でも停止する。日本の習慣で赤信号の変わり目などで進行すると事故になりかねないので注意。
・ 追い越し車は最優先とする。自車が遅い場合必ず自発的に道を譲る。後ろから早い車が来たとき加速するのはもっての他。
・ 片側一車線での追い越しは、対向車がいても大胆に行うのが普通だ。また団子状の10台以上の車列に対しても、途中で車列に割り込み休止しながら何回かに分けて追い越しをかける。ただし追い越し禁止区間は厳格に守られている。道路上の追い越し可能区間終了矢印が現れたら直ちに戻ろう(追い越し可能マークと間違えやすいので注意)。
・ クラクションは危険防止以外の目的では使用しない。
・ 合流、交差点などでのドライバー同士のコミニュケーションは目で行うのが基本。
・ ライトは自車の存在を知らせ事故を避けるため、日中でもしばしば点灯する(例;日中の日陰、夕方の暗くなり始め)。

 
ドライブのノウハウ

・ 車を離れる場合、荷物は見えるところには置かない。盗難を誘起する。トランク内部が見えないセダンの方が好都合。
・ 車の操作法詳細はふつう説明されない。出発前に必ずチェックすること。バックギアの入れ方、トランクの開け方、ライトの点灯法、盗難警告音の止め方など、知らないで出発すると旅先で途方にくれることも。
・ 信号の停止線は余裕を持って少し手前に止まろう。信号は日本より手前に設置されており、少しでも停止線オーバーで止まると信号が変わったのに気がつかない。
・ 各都市や町村の旧市街は、狭く曲がりくねった道の一方通行が多い。また幹線道路もバイパスがないところでは旧市街を通過している。唯一頼りになるのが方向指示板なので、事前に周囲の地名をチェックしておくのがよい。
・ 方向指示板は設置位置に注意。交差点の直進進路にある指示板は、矢印が右または左向きでも直進進路の行き先を示す。
・ 空港と街中とに営業所がある場合、外国での運転に不慣れなら空港で借りた方がよい。特に大都市で借りると町を抜けるまでの道が分からず苦労する。
・ よくイタリア人の運転は乱暴などと聞くが、統計上特に事故は多くない。初心者に優しいなど、むしろマナーは日本人より上。
・ 運転中は地図などで常に進行方向の町の名をチェックしているべきだ。交差点がロータリー形式になっていたり、市街地を抜けたりするとき、地図上では直進であっても道を失うことが多い。結局地名が頼りとなる。
・ ドライバー国籍により運転に若干差がある。大陸系ドライバーは安全重視志向が強く、地中海系ドライバーは少しアバウトだ。トルコ系は日本並みに融通を利かせた(法規に縛られない)運転で、アラブ系の運転はさらに渾然としている。

 
法規

概ね各国共通だが、国や地方によって若干異なる。日本と異なり注意する点は以下の通り。

・ 駐車違反の取り締まりは厳しい。市内には有料駐車場が多くあるので必ず利用する。
・ 道路脇(路肩)には市民専用、身障者用など特別車専用駐車場などがよく見られる。有料駐車場以外での駐車には注意が必要。
・ 制限速度は高速120k/h、一般道100k/h、市街地50k/hが標準的。速度取締りは日本と同様ポイントによっては厳しい。田舎ではあまり見かけない。