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ヴェネチア発祥の島
Torcello
トルチェッロ
(イタリア)♦
鐘楼のあるサンタ・マリア・アッスンタ教会(右)とロマネスクのサンタ・フォスカ教会(左)

ェネチア市街から水上バスで約50分のこの島には、目ぼしいものは一組の聖堂と鐘楼、観光客向けのレストラン程度しかない、農業の島だ。それでも訪れる人が絶えないのは、有名なレストラン「ロカンダ・チプリアーニ(Locanda Cipriani)」のためだけではない。
 トルチェッロは、今から1500年以上前の5世紀末、ヴェネチアの最初の住民が街を築いた記念すべき場所なのだ。大陸から諸民族が侵入し、ローマ帝国の治安が悪化、アルティウム市がここに移転した。当時は、2万人の住民を抱え、司教座から港、製塩所までを備えた都市であった。
 ヴェネチア市街の発展と共に、この島の重要性は低くなったが、7世紀のサンタ・マリア・アッスンタ教会と鐘楼、11世紀のサンタ・フォスカ教会は、中世に渡り増築・改修を重ねながら、素晴らしい歴史遺産として今日に受け継がれている。