"地中海,クロアチア,ラブ,カメニャック,kamenjak"
海に浮かぶ月世界のように真っ白な台地
Kamenjak
カメニャック
(ラブ島 −クロアチア)♦
月面のような真っ白な台地が海上に浮かび上がる

ェレビト海峡付近を船で通過すると、周囲のどの島々も、不気味なほど真っ白であることに気がつく。
 木が一本もない岩山が崖となって海に落ち込み、目に入る色は、空色・濃紺の海・石灰岩の白、のただ三色だけになる。
 冬の間ヴェレビト山地から吹き降ろすブーラと呼ばれる強い北風と、カルスト(石灰岩)の地質のため、殆ど植物が生育しないが、遠目には真っ白なカルストも、乾燥に強いセージなどのハーブ類やごく僅かのオリーブなどが育っており、羊の放牧地として使われている。
 カメニャックは、ラブ島の最高峰であると同時に、平坦なカルスト台地上の一つの地点でもある。島の中心地ラブの町の郊外にある小さな集落ムンダニエ(Mundanije)から、台地を登る細い車道に入る。そこから約4kmの間、車一台がやっとの舗装道路を、ハイカーや自転車旅行者に注意しながら慎重に登っていく。途中、ラブの町を上空から眺める素晴らしいビューポイントがある。

麓のラブの町や島の海岸線が美しい
 カルスト台地の上に付くと舗装がなくなり、ごつごつ尖った岩の上を、細心の注意を払って進んでいく。左手奥のレストランへの分かれ道を過ぎ、ほぼ平らな台地の中の小さな突起にある建物のところまで進んでいくと、道が終わる。
 周囲を見回すとここが一番高いので、標高410Mのカメニャックの山頂のようだ。前方は、ごつごつした真っ白な石灰岩の岩場で、青い海の向こうのヴェレビト山地が高い。後ろには荒涼としたカルスト台地越しにアドリア海の島々が見える。両側は低い石塀や金網で区画ごとに仕切られた羊の放牧地だ。
 足元に気をつけながら岩場に足を踏み入れると、数百メートルの崖となって海へと落ち込む石灰岩の台地に目を奪われる。