"地中海,ギリシア,テナロ,テナーロ,タイナロ,タイナロン,テナロン,マタパス,マタパン,ペロポネソス,tainaro,tainaron,matapas,matapan"
ヨーロッパの最南端といわれる岬
Cape Taínaro
Ακρωατήριο Ταίναρο
テナロ岬
(ギリシア)
岬の先端はこの先の山陰にあり、歩いていかないと見られない

の果てとは、まさにこんな所を言うのだろう。テナロ岬は、ペロポネソス半島の南に延びる3本の爪のような半島の中指の先端にあたる、ギリシア本土の最南端であり、ヨーロッパの最南端ともいわれている。
 地図を見ると、実際にはスペイン最南端の町タリファの方が約40kmほど南になるのだが、最果てらしい雰囲気なら、まちがいなくテナロ岬に軍配が上がる。
 別名マタパン岬とも呼ばれるテナロ岬は、古代から東地中海に突き出た要衝の地であった。岬のすぐ脇の入江には、ビサンチン時代のアソマティ教会と、スパルタの古代神殿の遺跡とが見られる。さらに近くには冥王ハデスの洞窟、ポセイドン神殿など、神話の世界が広がっている。
 コキノイア(Kokinógia/Κοκκινόγεια)と呼ばれる僅か数軒の集落まで車道が通じており、どの遺跡もそこから歩いて行ける。コバルトブルーの海と低く黄色い草地が入り組んで、印象的な光景を作り出している。
 灯台の立つテナロ岬へは、徒歩でしか行けない。遺跡の間を縫って延びるごつごつした岩と草の道を通って、片道30分の道のりだ。

無常感を醸し出すアソマティ教会の廃墟