The Mediterranean Life /地中海生活－HRVATSKA／クロアチア編

　　「地中海生活」　1996年冬号（ 11月12日発行　通算第４号）

MAP & TRAVEL

THE MAP OF OTOK KRK


			quote from "Italia" (Servizio Cartografico del Touring Club Italiano)
	本文に登場する町		その他の主な町

旅のプラン
- 日本からクルック島へ
  　ザグレブ空港まではいくつかのヨーロッパ系の航空会社が基本料金内で飛んでいます。それぞれ本国の空港で乗り換えになります。また近隣諸国からでしたらクロアチア航空が飛んでおり比較的安く利用できます。以下の便で追加料金なしで当日中にザグレブまで入れます。
  　また隣国スロベニアのリュブリャナ空港からですとさらに近く便利なのですが、日本からは追加料金を払わないと搭乗できないケースがあります。
  　クルック島のリエカ空港が利用できると便利なのですが、リエカ便のスケジュールは不明ですのでご利用前にご確認ください。
  - ザグレブ空港へ
    ﾙﾌﾄﾊﾝｻﾞ航空利用（月曜発のみ）
    　東京10:10→ﾌﾗﾝｸﾌﾙﾄ15:00　乗継　ﾌﾗﾝｸﾌﾙﾄ16:25→ｻﾞｸﾞﾚﾌﾞ17:55
    ｴｰﾙﾌﾗﾝｽ航空利用（月曜・木曜発のみ）
    　東京21:55→ﾊﾟﾘ4:25　乗継　ﾊﾟﾘ12:30→ｻﾞｸﾞﾚﾌﾞ14:15
  - ザグレブからクルックへ（距離約２１０Ｋ）
    最寄り駅のリエカまで鉄道（１日７本）またはバスで行き、そこからクルック行きのバスに乗る方法（１日１３便）、ザグレブからクルック行き直通バスに乗る方法（１日１便）、レンタカーを利用する方法（別項を参照）などがあります。
  - 近隣諸国（ドイツ、オーストリア、東欧諸国）から
    　ザグレブやリュブリャナまでクロアチア航空、アドリア航空の便が頻繁に出ており、比較的低料金で利用でき時間的にも大変有利です。
    　ハンガリーのブダペストとドイツのミュンヒェンからはリエカまで夜行列車があり便利です（ミュンヒェン便はリュブリャナで乗換）。ウィーンからはリエカまで昼行の直通列車があります。
  - イタリアから
    　イタリアからは陸路または海路でクロアチアは目と鼻の先です。鉄道は接続が悪く利用価値がありませんが、バスでイタリア領トリエステからリエカに入ることができます。
    　トリエステからリエカは車で１時間強と大変近いのですが、レンタカーでの乗り入れは禁止されています。なおレンタカーでの出国は許可されていますのでイタリアへ抜ける時に乗り捨てで利用すれば大変便利です。
    　トリエステからは夏期の週末であれば、ロッシーニ島のマリ・ロッシーニまでの船便が運行されます。マリ・ロッシーニからはバスまたはレンタカーでクルックに達することができます。
  - レンタカー利用
    　クロアチアは鉄道の整備が遅れており、国内の特にアドリア海沿岸の公共交通機関としてはバスと船が中心になります。従って運行日や時間が不規則であったり、満員で乗れなかったりなどのリスクを考えれば、レンタカーの利用をおすすめいたします。
    　レンタカーの営業所は提携先まで含めると数多くあり、大手レンタカー会社でも日本の支店は状況をよく把握していないので、注意する必要があります。たとえばハーツ・レンタカーの場合、クルック島内にはクルックとリエカ空港、近くにはツリクヴェニツァ、リエカ、オパティヤ、ラバッツ、プーラ、プーラ空港、ロッシーニ島のマリ・ロッシーニなどの各営業所があります。
    　なお、レンタカーは西側諸国（イタリア、ドイツ、オーストリア等）からクロアチア、スロベニア等への乗り入れは禁止されています。逆コース（クロアチア、スロベニアから西側諸国へ）は認められていますので、日程を組む際は注意してください。それ以外の国境通過は特に問題なく、国境検問もパスポートと免許証のチェック程度でした。
    　また利用料金は極めて高く、特に走行距離に比例した距離料金が、１６００ｃｃクラスでも１ｋｍあたり約７０円程度はかかります。また距離無制限では１日２万円程度の費用がかかります。いずれにせよ効率的な利用をするのが賢明でしょう。ガソリンは日本よりむしろ安いくらいです。
    　道路事情は日本と同程度でヨーロッパに比べるとあまり良いとはいえません。高速道路では１００ｋｍ以上出せますが、未完成のところが多く、ほとんどは一般国道のお世話になります。幹線では平坦地で時速６０～８０ｋｍ、山間部では３０～４０ｋｍ程度になってしまいます。特に夏期の渋滞はひどく、クルック橋を先頭にリエカ市内まで１０ｋｍ以上の渋滞も見かけました。クルック島の島内は道幅の狭いところもありますが快適なドライブが楽しめます。また要所要所にはフェリー便があり（地図に赤線で記入）島の間の移動も容易です。
    　　ｻﾞｸﾞﾚﾌﾞ空港　４０分（高速道路60K）　ｶﾙﾛﾊﾞｯﾂ　３時間（130K）　ｸﾙｯｸ橋　２０分（30K）　ｸﾙｯｸ
- ことば
  　クロアチアは歴史的にドイツとのつながりが強く、特に１９９１年の内戦時の支援のこともあり大変親ドイツ的な国です。観光客もドイツ語圏の人が大多数を占めます。従ってクロアチア語を知らなくてもドイツ語がわかればだいたいの用が足ります。
  　イタリア語はだいぶ廃れてきましたが、レストランでもドイツ語と並んでイタリア語のメニューがおいてあるケースはよくあります。
  　また若い人を中心に観光地では英語が通じるケースもかなりあります。
- ホテル
  　夏期のクロアチアのアドリア海沿岸はリゾート客でどこも混雑し、ホテルの料金は２倍以上にあがりますが、それでも宿を確保するのに苦労します。１９９１年まで社会主義国であったため地方のホテルの設備は、４つ星のリゾートホテルですら日本の安普請のビジネスホテルか温泉旅館とさして変わりません。ホテルにはあまり期待しない方がいいかもしれません。日本で得られるホテルの情報は限られているので現地で探す方が早いかもしれません。
  　また民宿ならぬ食事なしの貸部屋（ＳＯＢＡ＝クロアチア語で部屋）の看板も多く見られ、そこなら予約なしで安く泊まれますが、日本の豊かな暮らしになれた方にとって快適なものであるとは言い切れないので貧乏旅行でなければおすすめしません。
- 旅行日数
  　クルック島は２日程度の日程で見ることができます。しかし、近くのイストラ半島やほかの島々を組み合わせた場合は、いくら日程があっても足りません。旅行全体の日程の中にうまく組み入れられたら良いと思います。
- 旅行の季節
  　夏の日中は暑くなり、ビーチリゾートおよびマリンスポーツのメッカとして大変混雑します。道路の渋滞やホテルの混雑などもあり気軽な旅を楽しむには、むしろ良くないかもしれません。　その他の季節については情報が不足しておりわかりませんが、一般的にこの地方は冬場の天気は荒れ模様になります。
- 旅行の費用
  
  中級ﾎﾃﾙ１泊（朝食付）夏期料金約200ｸﾅ（一人当たり）
  
  夕食；中級ﾚｽﾄﾗﾝ 120ｸﾅ程度（一人当たり）
  
  有料道路；ｸﾙｯｸ橋 10ｸﾅ
  
  　なお、1ｸﾅは日本円で約２１円です（1996年7月現在）。

ここで紹介しなかったクルック島の見どころ
　これ以外にもバシュカも是非寄ってみたい町の一つです。またリゾートとしてはオミシャリ、ニジヴィツェ、マリンスカ、プナトも有名です。
　またフェリーに乗ってすぐの有名なラブ島、美しい港を持つロッシーニ島へのエクスカーションも楽しいでしょう。

　　　　今回は増刊号として特に、クロアチアを含む旧ユーゴスラビアの歴史に関するページを作りました。

　　　　比較的なじみの薄いこの地域について、さらに理解していただければと思っています。

旧ユーゴスラビアの歴史


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中級ﾎﾃﾙ１泊（朝食付）	夏期料金約200ｸﾅ（一人当たり）
夕食；中級ﾚｽﾄﾗﾝ	120ｸﾅ程度（一人当たり）
有料道路；ｸﾙｯｸ橋	10ｸﾅ