"地中海,クロアチア,ダルマチア,dalmatia,プリモシュテン,primosten"
スラブの町並みを残す貴重な小島状の町
Primošten
プリモシュテン
(クロアチア)♦

並が絶えないダルマチアで、シベニックとスプリットの間の50キロ程度の間、大陸が直接アドリア海に接する部分がある。そこにある直径わずか数百メートルほどの円形の小島状の町がプリモシュテンだ。
 かつて「渇きの地」と呼ばれていた島は、数百年前に埋め立てにより本土と繋がれて半島となり、水や畑での食料の調達も容易になった。漁業により生計を立てていた住民も、農業に従事するようになり、そして今は美しい入り江に恵まれたシーサイドリゾートとして注目を集め始めている。

 青空市のある島状部分の繋ぎ目の広場から、町を守る城壁の門をくぐると一変して石の世界になる。街路には石畳が敷き詰められ、石組みの家の屋根も平べったい白い石で出来たものが少なくない。ダルマチア沿岸でイタリア化されずスラブの様式が保存された貴重な風景だ。道端に繋がれたロバが見事に周囲に溶け込んでいる。僅かな上り坂の後、程なく中央部の教会に達する。周囲には無人島や入り江の美しく複雑な地形が広がり、マリンスポーツにはもってこいだ。夏ならば、島近辺の白い丸石のビーチでのんびりと過ごしたい。