南 仏の海岸は、前世紀中に飛躍的に開発が進んだ。近代的なリゾート、高級リゾート、また工業地帯になったところもある。
だがル・グロ・デュ・ロワは、正真正銘の漁師町でありつづける数少ない町だ。
このあたりは湿地帯で地盤が悪く開発に適さない。また山や大きなビーチもなく、リゾートにも向かない。その上、町から遠くアクセスも悪い。
その条件の悪さが、恐らく奇跡的に昔ながら風情を残すことに繋がったのだろう。 エーグ・モルトへと続く運河に沿って、漁船がいっぱいに停泊しており、庶民的な町並みは生活感で溢れている。
驚いたことに運河沿いの建物の多くがレストランになっており、まさに軒を連ねている。新鮮な魚を求めて、グルメたちがこんな田舎町まで続々と集まってくる。春の平日のランチでも、満席の賑わいようだ。
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