に、夏季ですら僅か数回だけ寄港する、島々を巡るフェリー。アナフィは、船、部屋、食事が提供される島としては、恐らく最も辺鄙な島のひとつであろう。
　人口わずか数百人の山がちな島には、港、町が一つずつしかない。エーゲ海の島では、島で一番大きい町は「コーラ」と呼ばれ、固有の名前がない。
　観光地化に伴い、島の名前を町の名前として持つところも多くなってきたが、この島では相変わらず「コーラ」と呼ばれている。
　港から高低差200m近くはあろうかという2kmの山道を登ると、急斜面の上に真っ白な家々が固まっている（バスもあるので心配ない）。レンタルルームを一部屋借りて、エーゲ海の島での田舎の暮らしを味わいたい。
　これといった見所はないが、海まで降りてビーチでのんびり過ごすのが、ここでのやり方だ。