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イオニア諸島で心地よさ一番のスローリゾート
Lákka
Λάκκα
ラッカ
(パクシ島 −ギリシア)♦♦
Centro
Storico

緑に包まれてこじんまりと佇む小さな漁村

オニア諸島はギリシアにありながらイタリアにもほど近い人気のリゾートだが、中でもパクシ(パクソス)島は予約なしでは泊まれない憧れの小さな島だ。忙しい現実の世界を離れて、海と山が美しいこの静かでな小さな島を目指し、イギリスから、イタリアからリゾート客が訪れる。
 そのパクシ島で最も完璧にくつろげる村が、島の玄関口ガイオス港から一番離れたラッカなのだ。
 緑深い入江に集まる赤い瓦屋根の家々が、可愛らしくも活気ある漁村兼マリーナを形成している。車道は村の入口で封鎖されているので、村内全体がプロムナードのようなゆったりとした雰囲気に包まれている。

漁船やツーリストボートが岸壁いっぱいに係留されている

 入江の両側は傾斜のある山地が張り出し静かな湾となっており、港の岸壁沿いは係留された漁船とクルーザーとでいっぱいだ。海辺は入り組んで変化に富んだ村の風景を作り出し、夕方から深夜にかけては平行して海沿いに連なるレストランやカフェが賑わいを増す時間だ。
 村の路地にもパン屋、八百屋、雑貨屋などが連なり、地元住民とリゾート客が共に生活する楽しい一帯だ。その真中の広場周辺はレストラン、カフェが集まるが、海岸沿いがリゾートムード満点なのに対し、広場周辺はギリシア郷土料理中心のタヴェルナやギリシア式のカフェニオンが集まっている。

路地にはギリシアらしい風景が溢れている

 また町中に溶け込むようにリゾート客向けアパートが点在しているので、まさに村民の一人となって生活する気分が味わえる。パクシ島にはホテルが2軒しかなく、宿泊施設の殆どがアパートかヴィラとなっている。予約は基本的に1週間単位なので、滞在中は自ずと島民として暮らすことになるのである。

町並みに溶け込むように点在するリゾート客用のアパートで1週間を過ごす

準的なアパートには、生活に必要な家具や電化製品、食器類がすべて用意されているので、新鮮な食材を買ってきて自分で食事を作ってもよいし、歩いてすぐのパン屋で毎朝焼きたてのパンを買って食べるのもよい。
 昼は一日ビーチで過ごすのがここリゾートライフの基本だ。歩いて行ける丘の向こうのビーチも良いし、島の周りにたくさんある美しい白砂のビーチを巡る日帰りツアーに参加するのも良い。

広場の周りにはギリシア料理を出す伝統的なタヴェルナが集まる

 夏のギリシアの夜は遅い。夕方薄暗くなる8時頃から村では人影が増え始め、9時を回るとレストランの席が次々と埋まっていく。漁港なので新鮮なタイのグリルやカラマラキア(イカフライ)がおいしいのはもちろんだが、街の灯が反射して輝く水面をぼんやり眺めながら水辺のテーブルで過ごす時間は、またとない思い出になるだろう。

ロマンティックな夕暮れの港のレストラン

 ツーリストでごったがえすイオニア諸島のなかで、ラッカが奇跡的と思えるほど静かで落ち着いたリゾートのままありつづける理由は、第一に交通の不便さのためではないだろうか。
 日本人にとってはパクシ島に辿り着くのが一苦労だ。ギリシアの首都アテネ空港で乗り継いでケルキラ(コルフ)島のケルキラ空港へ、そこからタクシーで港へ移動し、高速船か水上飛行機でパクシ島のガイオス港に渡る(夏季なら1日各1〜2便)。またイタリアのブリンディジとギリシアのピレウスを結ぶ航路や、ギリシア本土のイグメニッツァからの航路もあるが、あまり効率的ではない。ガイオス港からラッカに移動するには1日4便の路線バスの利用となるが、ガイオス港からバス停までの1.5kmは徒歩での移動となる。タクシーはシーズン中は予約でほぼ満車となり、利用は期待薄だ。
 予算に余裕があれば、水上タクシーを利用したい。本土のパルガやケルキラ島南端のレフキミから30〜40分でラッカの村の中心に接岸してくれる(約1.5〜2万円、要予約−Lakka Express)。