三 方をトルコに囲まれたレスヴォス島は、エーゲ海にありながら大陸に程近い緑の楽園だ。
肥沃な土地は豊かな農産物を産み、古代から裕福な島として知られており、中世に島を占領したトルコ帝国が最後まで手放さなかった島だ。そのため、ギリシアに復帰してから、まだ100年は経っていないのである。
大きな島の首都でもあるミティリニは、田舎町というより都市といってよい規模がある。
14世紀のジェノヴァ領時代の城跡[写真下]の下に広がる、鮮やかな色彩と土埃りが同居した旧市街は、トルコ時代そのままの佇まいだ。
活気ある市街だが、アギオス・セラポン教会[写真上]の白いドームが頭をのぞかせる、港のプロムナードは、散策に打ってつけの場所だ。
港からは毎日、トルコ領の小さなリゾート都市アイワルク(Ayvalık)へフェリーが出ている(約1時間半)。そこからさらに、紀元前2世紀のペルガモン王国の首都ペルガモンの遺跡へ足を伸ばすことができる。
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