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マッタンツァからマリンリゾートへ
Favignana
ファヴィニャーナ
(ファヴィニャーナ島 −イタリア)♦♦
Centro
Storico

マグロ加工場とサンタ・カテリーナ要塞

ガディ諸島は、シチリアの西の沖、さらにアフリカ側にある。その中心はファヴィニャーナの町だ。
 もともとこの一帯は、アラブから伝来した伝統的なマグロ漁「マッタンツァ」により、マグロを取って生活していた漁業の島だった。マグロを、海底に渡した網の罠に追い込み、最後はこん棒で撲殺する大掛かりな漁法だ。

今日の漁獲を水揚げをする漁師たち


 現在はマグロの数が減り、観光用に細々と続けられるだけだが、それをひと目見に、漁期の4〜6月には大勢の観光客がやってくる。
 しかしかつては年間2万匹近く取れていたマグロが今では数百匹しか取れないので、見れた人は幸運だ。

漁港から上がった魚は、直ちに堤防で売られる

 取れたマグロは、身は油付けにして缶詰に、卵はボッタルガに、また内蔵も余すとこなく瓶詰めにして使われる。
 町には何軒も魚の加工品を売る店があるので、覗いてみるとよい。

 港を取り囲むように数々の巨大な加工場が見られるが、その多くは、少なくとも本来の目的では使われなくなって久しい。

マグロ加工品店「イ・カプリッチ・デル・トンノ(I Caoricci del Tonno)」


 それでも小魚を中心に漁業は続けられており、港町の風情は健在だ。港を埋め尽くす漁船の群れには、圧倒される。

 漁港を兼ねた港の桟橋では、下船してきた観光客の大群に混じって、水揚げしたばかりの魚をその場で売る人が何人もいる。



地元の人もお勧めのリストランテ「イル・ペスカドール」

この町は夏の間を中心に、マリンリゾートとして売り出し中だ。観光化されていない素朴な雰囲気と、島の美しい自然が人気を呼び、訪問客でごった返すほどにまでなった。
 町には、昔ながらの魚屋や食品店に混じって、土産物屋やカフェが幅をきかしている。マグロのいろいろな部位を缶詰や瓶詰めにしたもの、作りたてのアンチョビ、また島で取れたカペッリ(ケッパー)などが、人気のお土産品だ。

小さな町はシーズン中、観光客で賑わう


 食事をするなら、魚がうまい店は沢山あるが、イル・ペスカドールが有名だ。エウロパ広場に面した小さな食堂だが、その料理は地元の人の折り紙つきだ。

 時間があれば、町の西側にあるサンタ・カテリーナ要塞(Forte di S.Caterina)に登って、港の景色を楽しみたい。また自転車を借りて、カーラ・ロッサまでのサイクリングも面白い。琥珀色をした海の色は忘れがたい美しさだ。

エウロパ広場(Piazza Europa)