ガディ諸島は、シチリアの西の沖、さらにアフリカ側にある。その中心はファヴィニャーナの町だ。
現在はマグロの数が減り、観光用に細々と続けられるだけだが、それをひと目見に、漁期の4〜6月には大勢の観光客がやってくる。 しかしかつては年間2万匹近く取れていたマグロが今では数百匹しか取れないので、見れた人は幸運だ。
町には何軒も魚の加工品を売る店があるので、覗いてみるとよい。 港を取り囲むように数々の巨大な加工場が見られるが、その多くは、少なくとも本来の目的では使われなくなって久しい。
それでも小魚を中心に漁業は続けられており、港町の風情は健在だ。港を埋め尽くす漁船の群れには、圧倒される。 漁港を兼ねた港の桟橋では、下船してきた観光客の大群に混じって、水揚げしたばかりの魚をその場で売る人が何人もいる。
この町は夏の間を中心に、マリンリゾートとして売り出し中だ。観光化されていない素朴な雰囲気と、島の美しい自然が人気を呼び、訪問客でごった返すほどにまでなった。
食事をするなら、魚がうまい店は沢山あるが、イル・ペスカドールが有名だ。エウロパ広場に面した小さな食堂だが、その料理は地元の人の折り紙つきだ。 時間があれば、町の西側にあるサンタ・カテリーナ要塞(Forte di S.Caterina)に登って、港の景色を楽しみたい。また自転車を借りて、カーラ・ロッサまでのサイクリングも面白い。琥珀色をした海の色は忘れがたい美しさだ。
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