一 本の石橋で、本土と繋がった小島の町、それがガリーポリだ。
イタリアの長靴のかかとの部分で、イオニア海のターラント湾に向かって新市街のある小さな岬が突き出ている。その先にある小さな島は、紀元前のギリシア人植民地に起源を持つ、白く塗られた旧市街だ。
ギリシア時代の都市名カリー・ポリ(Καλή Πόλη 良い町)がほぼそのまま今でも使われており、このあたりの人々は自分達をギリシア系住民と認識している。
本土と橋と島で囲まれた部分が港になっている。沢山の漁船が停泊しており、堤防上では漁師が網の手入れに余念がない。この港に向かって大きく張り出したアンジュー家の城が、町のモニュメントとなっている。
島を取り囲む海岸通りは、どの場所からも眺めがよく、一周20分ほどのプロムナードだ。島の内部は住宅が密集し、不規則な路地が入り組んだ小さな迷宮になっている。
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