"地中海,イタリア,プローチダ,procida"
ナポリに近くのかわいい町並みを持つ漁港
Prócida
プローチダ
(ブローチダ島 −イタリア)♦
Centro
Storico

映画「イル・ポスティーノ」の舞台となったコリチェッラ地区

ポリ湾の北方、フレグレイ諸島のプローチダ島は長さ3kmほどの小さな漁民の島だ。その中心は同名の町プローチダ。島は険しい崖で囲まれているが、ひしゃげた瓢箪(ひょうたん)型の島の2箇所のくびれた部分にはそれぞれ港がある。町は真中の丘を越えて両側に続いている。本土に近い側の港はフェリーも入る大型船用で現代の町の中心地になっており、喧騒に包まれた庶民の的な町だ。

舞台となった「郵便局」(だったかと思います。
確かな記憶のある方、教えてください。)

いて20分ほどのところに有る、丘の反対側の漁港コリチェッラ(Corricella)は小型船が多く、対照的に古い静かな町並みだ。典型的な地中海風のキュービックハウスは、ナポリ人の故郷ギリシアを思わせるが、美しいパステルカラーに塗り分けられているところがイタリアらしい。郵便配達人とチリの亡命詩人ネルーダとの心のふれあいを描いたイタリア映画の名作「イル・ポスティーノ(Il Postino)」の舞台となった町並みは、そのまま残されている。出演者の多くがこの村の住人であったが、その多くが今も住んでいる。配達人マリオを演じた病身のマッシモは撮影直後に世を去ったが、イル・ポスティーノは1995年のアカデミー賞5部門を獲得した。

テッラ・ムラータ地区は島の頂上にあるチェントロ・ストーリコ(旧市街)

 舞台となった「郵便局」の建物(実際は八百屋)を過ぎ、島で一番高い小山の上へがっていくと、マリーナピッコラの美しい風景を俯瞰することができる。黄色、オレンジ、ピンク、クリーム色、白など、暖色系の四角い家々が、積み木状に連なっている。集落中央にある小広場前の強いピンク色の小さな家の向かって左側2軒目、外階段のあるやや引っ込んだ家が、撮影時にバールとして使われた建物だ。

崖っ淵に建つサン・ミケーレ・アルカンジェロ

の最高地点にはテッラ・ムラータと呼ばれる16世紀の城壁に囲まれた旧市街があり、立派な門をくぐって古い町に入っていく。ここは現代社会からは取り残された貧しいが風情ある地区だ。サン・ミケーレ・アルカンジェロ教会の脇の断崖の向こうにナポリの町がかすんでいる。