地 政学的に、タリファは特別な意味を持つ町だ。
ヨーロッパ大陸の最南端であり、また地中海が始まる場所でもある。タリファ岬の外側は、大西洋だ。
しかも、アフリカに最も近い町でもあり、タリファのすぐ東で大陸間の距離はわずか約15km、毎日モロッコのタンジェへ行くフェリーが運航されている。
さらにタリファにはもう一つの顔がある。それは、ウィンドサーフィンのメッカだ。
二つの海の潮が交わるタリファ岬近辺は、風、海流、そして手付かずの青い海と白い砂が、サーファーを虜にした。
城壁に囲まれた長さ300メートル程の旧市街には、北側にあるアラブ風のヘレス門から入っていく。
13世紀と比較的早い時期にキリスト勢力に奪還された町ではあるが、町の構造や建物の作りは典型的なムデハル様式(アラブ風)だ。
旧市街を海の方へ抜けると、いよいよヨーロッパの最南端のタリファ岬となる。目の前の山々は、もうアフリカ大陸だ。10世紀のアラブの城に起源を持つグスマン城が建っている。
だが道は堤防となって、この先のタリファ島まで続いている。橋を渡ることはできるが、スペイン軍基地のある島には上陸できない。陸続きでいける正真正銘の最南端まで行ってみるのもよいかも知れない。
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