心温まる島の家庭の味 | ||
ンティナ・ドリアとは、ドリア通りの食い物屋の意味だ。通りの雑踏の中で、気をつけていないと見落としてしまいそうな小さな食堂、ないしは酒場で、コルシカの伝統的な家庭料理に出会える。そのあまりにも素朴な味わいが口に合うかどうかは好み次第だが、こぎれいなリゾートアイランドに変身しつつあるコルシカ島の中で、心温まる貴重な場所だ。 |
タイムスリップしたような店の雰囲気 | |||||||
口脇の小さなテラスに2、3のテーブルを過ぎ店内に入っていく。薄暗い中はタイムスリップしたような空間で、壁や天井に古い写真、看板、道具類が所狭しとディスプレイされている。賑やかで活気ある雰囲気は、まるで地元の食堂か酒場といった感じだ。
メニューを見るとどれも10ユーロ以下でリゾート地としては格安だ。コルシカは海に囲まれているが、古来住民は山の民であったので、伝統料理は山と畑のものばかりである。まずは種類が豊富な生ハム類が目につく。町の起源はトスカーナにあり、その後長くジェノヴァ領であったため、名前はプリスッツ(prisuttu)、コッパ(coppa)、ロンツ(Lonzu)、サルシッチャ(salsiccia)など、すべてイタリア風だ。
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