2. オリーブオイル
オリーブオイルは地中海料理で使う油の中で一番基本的なものです。現地の人にとっても決して安いものではありませんが、大事に使います。
オリーブオイルの製法はきわめて単純で、オリーブの未熟果をただ絞るだけです(実際には洗浄、分離、濾過などの工程が入ります)。そのため収穫してから絞るまでの時間(短いほど香りが良い)や、オリーブの品種(100以上あります)、その土地や個々の畑などの違いによる品質差が大きく、現地の人(といってもレストランなど)の中には仕入れ先まで決めて直接に畑にある精油所で買って来る人もあり、個人でオリーブを育てて自分で絞った油を使っている人もいるほどです(ここまでいくとさすがにマニアになります)。
絞ったオイルは色や香り、雑味の程度など多くの項目のチェックを経てランクづけされます。イタリアなどではたいてい油屋があり、そこで好みの産地およびランクのオリーブ油を買うことができます。
ランクづけには国による違い、法的なものと私的なものなど、いろいろな要素があるのでここでは触れません(私もわかりません)。
例えば、日本でも有名なイタリア・トスカーナ地方のフィリッポ社の場合は、手づみ収穫後24時間以内に絞った最上級エクストラバージン(黒ラベル・写真右)、化学処理をしていない酸度1%以下の油である普通のエクストラバージン(緑ラベル)、普及品のオリーブオイル(黄ラベル・写真左)の3種類があります。エクストラバージンは一般に緑がかった色をしているのに対し、普及品はきれいな黄色をしています。
少なくともエクストラバージンと普通のものでは香りがまったく異なり、料理のできに大きく影響します。レストランではエキストラバージンしか使わない店もあります。
残念なことに国内で容易に入手できるものには非常に限りがあります。東京の普通のスーパーであれば、産地にこだわらなければエクストラバージンと普通タイプの2種類は手に入ります。あと日本にもオリーブオイル屋があると聞いたことはありますし、小豆島では少量ですがオリーブオイルを生産しています。また一部有名店では、トスカーナのある農園のオリーブを扱っているそうです。しかし普通の人が料理に使える現実的な価格ではありません。
ここでは、価格と品質とを天秤にかければ、スーパーで売っているエキストラバージンオリーブオイルをお使いになることをお勧めします。値段も近頃は安くなり、450g入り一瓶で498円です(ヤオコー・若葉店)。また普通タイプは398円で買え、サラダ以外では十分おいしい料理が作れます。
お勧めの特定銘柄など、情報や御意見があれば、ぜひ教えてください。よろしく。