４．　リモンチェッロ

　リモンチェッロを御存知でしょうか。レモンの皮から作るリキュールで、ほんとうにきれいなレモンの色をしています。もともとナポリ近郊のソッレント半島やカプリ島で作られていたもので、現在でも当地の名産となっていますが、いまではイタリア全国で飲まれるようになりつつあります。
　レモンの酸味はほとんど抜けており、皮の成分であるレモン色の色素とレモンの香りが封じ込められた甘いリキュールです。

　ソッレント半島はレモンの産地であり、上質なリモンチェッロは大変贅沢な方法で作られます。無農薬で作られた新鮮なレモンの皮だけを薄くむき、残りは捨ててしまいます。これにブドウを発酵させて作ったアルコールと砂糖とを加えて、レモンの皮の成分を抽出したアルコール液がリモンチェッロとなります。
　よく冷やして食後酒として飲むのが一般的な飲み方ですが、産地ソッレント半島の農家ではお茶代わりに？一日中飲む人もいるようです。アルコールは３１％と強いので、ソーダなどで割ってもおいしく飲むことが出来ます。

　リモンチェッロは細長い三角形の透明瓶に入れて売られているのが普通ですのですぐわかります。色はほんとうに鮮やかなやや濁ったレモン色をしています。
　イタリア国内での入手は、特に南イタリアでは比較的容易ですが、国内でも輸入酒を扱う店でたまに置くケースも出てきたようです。