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タコ料理が得意な魚料理店
Polpo Mario
ポルポ・マリオ
(セストリ・レヴァンテ −イタリア)

リグリアの港町で100年以上続く魚料理店

通りに張り出したテント席のいい匂いですぐ分かる

グリア地方の小さな漁港の町で、1891年から伝統的なレシピを守ってきた店、それがポルポ・マリオだ。
 旧市街の目抜き通り、4月25日通りのフィエスキ司教の夏の住居だった「パラッツォ・フェデーリチ」の1階に位置している。
 ポルポ・マリオは、自前の漁船を持っている。その名も、「ポルポ・マリオ」だ。だから、リグリア地方の魚を始め、タコ、エビ、貝など、新鮮な素材をいつでも欠かさず手に入れることが出来る。



入口にあるシュールなアート


奥へと延びる客席は、いつも満員

 スペシアリテは、店の名にもなっているタコ料理が多い。
 タコの棗(ナツメ)煮(Polpo in brodo di giuggiole)、タコのパテ(Pate di polpo)、エビ団子の鍋焼きローズマリー風味(Polpetti in tegame al forno col rosmarino)など、見たこともない料理ばかりだが、決して気まぐれな思いつきのレシピではない。

ここにもタコのモチーフが

 店は、通りから奥へ長く延びる構造になっており、使い込まれた調度品や装飾、時代がかったポスターが、3世紀に渡る歴史を感じさせる。
 それでいて畏まった感じは全くなく、むしろ食堂のような活気が溢れている。
 その中に、タコをモチーフにしたインパクトの強いデッサンやシュールな現代風の版画などのモダンアートが、絶妙なバランスで配置されている。


使う素材は自前の漁船の水揚げから

海の幸の前菜盛り合わせは素材のよさが違う

ンプルな料理は、ともすると無造作な感じすらする。しかし、値段が安く味は文句なく素晴らしい。素材にかけた一本勝負だ。
 せっかくなので、アラカルトを組み合わせてタコ尽くしのコースを楽んでみたい。そんなことが出来るのも、この店ならではだ。
 前菜盛り合わせは、魚のパテのブルスケッタ、タコのテリーヌ、サーモンのカルパッチョ。さっぱりと軽い食感のパテは胃にやさしく、またタコのテリーヌはよく茹でた柔らかいタコがブロック上に固められており、見た目に強くアピールするユーモラスな一品だ。素材の持ち味がしっかり出ており、この上なく美味しいことは言うまでもない。



しっかりと魚介の味が出ている魚のラビオリ


 パスタも、魚尽くしの品々が並び、レシピの多さとそれだけの素材の調達する努力に感心させられる。

珍しいタコのスパゲッティ



 タコのスパゲッティは、粗く刻んだタコのソースで合えたシンプルな一皿だ。ほのかに海の香りがするさっぱりした味わいが特徴だ。
 一方魚介のラヴィオリは、海の幸を詰めた手作りのラビオリを魚とトマトのソースで味を付けており、濃厚でしっかりしている。まるで海そのものを食べているような感じすらする。

メインの茹でダコは、素材そのものの滋味に溢れている


 メインは、飾り気のない茹でダコをオーダーしてみた。茹でたタコに、パセリ、オリーブオイルを振ってあり、お好みでレモンをかける。
 あまりにも素っ気ない料理だが、逆に素材が全ての自信作ともいえるだろう。
 口にしてみると、取れたてのタコを茹でただけでこんなに旨みがあるのかと、改めて驚くに違いない。

Polpo Mario(ポルポ・マリオ),
Via XXV Aprile, 163, 16039 Sestri Levante (GE) ITALY., (-->地図56
Tel: +39 0185 480203,
店舗URL: http://www.polpomario.it/,
紹介URL:
営業時間: ,
休日: 月休
カード可,
セストリ・レヴァンテは、ひょうたん型の小島のような部分と本土とが砂州で繋がった場所にある町だ。その細い接続部分の真ん中を、本土からひょうたん状の部分まで一本の道(4月25日通り)が貫いている。両側は繁華街になっているが、そのなかの一番賑わっているリストランテがポルポ・マリオだ。国鉄駅からなら、Baia del Silenzoに向って歩き始めれば旧市街の4月25日通りに出る。徒歩10分弱。

2008.3.22掲載