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昔ながらの山村の風情とおいしい山の幸
Linos Inn
Πανδοχείο Ληνός
リノス・イン
(カコペトリア −キプロス) ホテル レストラン
昔の民家をそのまま利用したホテルレストラン



入口は居酒屋のよう

プロス島のトロードス山地は、酷暑の地からは想像もつかない緑豊かな山岳風景が展開する。歴史ある山村、カコペトリアの石畳の旧街道にある宿が「リノス」だ。
 この宿は見つけるのが極端に難しい。村内の細い自動車道路から、歩行者道路のような幅2m以下の脇道を300m程奥に入ったところにある。何人もの村人に聞きながら探したがなかなか見つからない、というか正確に説明するのは難しいと言えよう。レフコシア(ニコシア)からトロードスへと向かう幹線道路がカコペトリアに差し掛かったら、いったん村内に入り、入り組んだ中心部を抜け、村外れの有名な古い教会アギオス・ニコラオス・ティス・ステギスの方向に村を抜け山に向かう車道を取る。家並みが終わる地点に近い駐車場の入口のところにあるギリシア語の看板「ΛΗΝΟΣ」が唯一の手掛かりだ。看板が指し示す方向には石畳の歩道が伸びているが、強引に車を乗り入れる。時にはミラーを擦りながら進む狭い道に、住人が車を止めていれば、動くまで待つしかない。300m程下った左にある酒場のような入口の店がリノスだ。急いで荷物を降ろしたらそのまま車をまっすぐ進め、村内を迂回して先の駐車場に止めておく。


陽だまりのリビング


ウッディーなテラスでのんびり過ごしたい







スイートのベッドは天蓋つき



室内の席は居心地の良い酒場の雰囲気

 中に入ると、そこは絵に書いたような酒場そのものだ。カウンターに黒々とした使い込んだ木のテーブルとイスが美しく映える。実はこの奥には、ブドウ棚の下のテラスで食べるおいしいレストランがあり、また廊下や階段の先には古い民家を改装して快適に過ごせるホテルになっている。石壁の外壁と対照的に、内部は全て木で出来ており、古い日本家屋のような懐かしさが感じられる。

 泊まるならぜひスイートをお勧めする。ドアを開けると立派なシステムキッチンを備えた落ち着いた食堂、そして次がクラシックなインテリアのリビング、さらにベッドルームは天蓋つきの素敵なベッドとアンティークの箪笥、衣装箱がある。しかし一番のくつろぎの場所はなんと言ってもロッキングチェアと木のテーブルがある広いテラスだ。古い瓦屋根の町並みや山々の眺めが美しい。何があるわけではないが、のんびりした空気とアンティーク家具に囲まれ、それでいて設備がしっかり整っている贅沢な時間を過ごすことが出来る。


スローライフを約束してくれる鍵


山の幸、大地の恵み、川の恵み


ブドウ棚のあるテラスでの夕食


のホテルはレストランとしても有名だ。店員に案内されて酒場の裏口から建物の反対側を通る路地に出る。それを渡った先にあるブドウ棚の下一帯がテーブルだ。夏の遅い夜が更けてあたりが薄暗くなってきた頃、ブドウの房を照らし出すように裸電球に灯がともされ、赤と白のチェックのクロスとブドウの葉の緑とのコントラストが闇に溶け込んでいく。
 メニューはすべてキプロスの山の幸、大地の恵み、川の恵みから作られた伝統的なレシピだ。しかも素材がよいので、街の食堂とは味が全然違う。まずメゼと呼ばれる小皿の前菜から入ろう。マッシュルームのグリルはその旨みの強さに驚かされる。野菜のグリル、フェタ(ヤギのチーズ)と生野菜のサラダ、ナスのサラダ(トルコ風に焼きナスの中身をミンチしたもの)、ドルマーテス(米のブドウの葉包み)など野菜類は全ておいしい。またハルミ(羊のチーズのグリル)、生ハムなどの畜産品も格別だ。メゼには、山の南斜面で取れる白ワインがよく似合う。



グリルしただけのマッシュルームは絶品



マスのグリルが名物



鶏・豚・羊のミックスグリルとハルミ(チーズのグリル)


 料理は、肉なら素朴なミックスグリルの盛り合わせが美味しい。豚、鶏、羊などの肉を串刺しにして炭火焼きしたものをいただく。ブロック肉はアツアツでジューシー、また羊の挽肉のケバブはさっぱりして美味しい。魚なら、この店のお勧めは川マスのグリルだ。淡白な肉をパセリとニンニクのソースでバランスがよくいただく。
 デザートはホームメイドのアップルパイがおいしい。甘さ控えめでしっとりしていて、お菓子というより料理のようだ。添えられたアイスクリームの甘味が良くマッチする。



陽だまりのパティオでの朝食

 陽ざしが玄関脇のパティオのテーブルクロスに差し込むと朝食の時間だ。ブッフェスタイルなので、パン、チーズ、ハム、ヨーグルト、卵などから好きなものを取って食べられる。サラダやオリーブ、フルーツ、手作りジャムなども美味しい。
 夏とはいえ肌寒い朝の空気のなかでも、木の温もりいっぱいのパティオの陽だまりのやわらかい日差しの中でならくつろいだ時間を過ごすことができる。

Linos Inn(リノス・イン),
34 Palea Kakopetria Str., Kakopetria 2810, Cyprus (-->地図15
Tel: +357 22923161
Fax: +357 22923181
e-mail: linos.inn@cytanet.com.cy
ホテルURL: http://www.linos-inn.com.cy/
紹介URL:
部屋代: 21キプロスポンド〜、(一人あたり、1泊朝食)
代理店:
営業期間: 通年
レストラン: 併設
カード: 可
カコペトリア市街からアギオス・ニコラオス・ティス・ステギスに向かう道を取り、市街を抜ける直前から、石畳の旧街道を下る。

2005.4.17掲載