昔の民家をそのまま利用したホテルレストラン | ||||||
プロス島のトロードス山地は、酷暑の地からは想像もつかない緑豊かな山岳風景が展開する。歴史ある山村、カコペトリアの石畳の旧街道にある宿が「リノス」だ。
泊まるならぜひスイートをお勧めする。ドアを開けると立派なシステムキッチンを備えた落ち着いた食堂、そして次がクラシックなインテリアのリビング、さらにベッドルームは天蓋つきの素敵なベッドとアンティークの箪笥、衣装箱がある。しかし一番のくつろぎの場所はなんと言ってもロッキングチェアと木のテーブルがある広いテラスだ。古い瓦屋根の町並みや山々の眺めが美しい。何があるわけではないが、のんびりした空気とアンティーク家具に囲まれ、それでいて設備がしっかり整っている贅沢な時間を過ごすことが出来る。
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山の幸、大地の恵み、川の恵み | ||||||
こ のホテルはレストランとしても有名だ。店員に案内されて酒場の裏口から建物の反対側を通る路地に出る。それを渡った先にあるブドウ棚の下一帯がテーブルだ。夏の遅い夜が更けてあたりが薄暗くなってきた頃、ブドウの房を照らし出すように裸電球に灯がともされ、赤と白のチェックのクロスとブドウの葉の緑とのコントラストが闇に溶け込んでいく。
料理は、肉なら素朴なミックスグリルの盛り合わせが美味しい。豚、鶏、羊などの肉を串刺しにして炭火焼きしたものをいただく。ブロック肉はアツアツでジューシー、また羊の挽肉のケバブはさっぱりして美味しい。魚なら、この店のお勧めは川マスのグリルだ。淡白な肉をパセリとニンニクのソースでバランスがよくいただく。 デザートはホームメイドのアップルパイがおいしい。甘さ控えめでしっとりしていて、お菓子というより料理のようだ。添えられたアイスクリームの甘味が良くマッチする。
夏とはいえ肌寒い朝の空気のなかでも、木の温もりいっぱいのパティオの陽だまりのやわらかい日差しの中でならくつろいだ時間を過ごすことができる。 | ||||||
Linos Inn(リノス・イン), |