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プロヴァンスの古都アルルの象徴
Nord-Pinus
ノール・ピニュス
(アルル −フランス)♦
街の核となる広場に面したホテル


アルルの歴史を物語るホテルのファザード

千余年の歴史を今に伝える古都アルルは、世界遺産にも指定されたプロヴァンスの京都と言ってよい、しっとりとした街だ。
 街の中心のフォロム広場(Place du Forum、プラス・デュ・フォロム)は、紀元前1世紀にローマ帝国により街が作られた当時から中央広場だったところだ。


ラウンジはクラシカルだが温かみがある

 2000年以上経った今も、カフェやレストランが所狭しと並び、街の心臓部として同じ場所に変わることなく市民が集うのは、我々の感覚では信じられないことだ。
 その広場に面して立つホテルが、ノール・ピニュスだ。ホテルの名前は赤松を意味するが、「松」をラテン語でピニュスとしているところに、ローマ帝国以来の広場の歴史が表現されているような感じがする。



ここは昔から闘牛士たちの定宿だった

 そのフォロム広場ほどではないにせよ、ノール・ピニュスの歴史も古く、誰よりも長くアルルの街を支えてきた老舗ホテルは、市民の心の風景のようでもある。
 上流階級の社交場でもあり、闘牛士(日本の感覚で言えば芸能人)たちの定宿でもあり、ジャン・コクトーやパブロ・ピカソが逗留していた、と言えば十分だろう。
 決して豪華ではないが、中心地にありながらクラシカルで心休まる、プロヴァンスの古きよき時代を伝えるプチホテルだ。現代の有名人では、デザイナーのクリスチャン・ラクロワがこの宿の大ファンとして知られている。

我が家のように過ごせる温かみがある

プロヴァンス・カントリー風のインテリア


3階(2me étage)の角部屋は、明るく広場の眺めも良い


やかな色彩の建物が囲むフォロム広場は小さな長方形の広場で、ゴッホの「夜のカフェテラス」の風景としてもおなじみだろう。広場は陽射しを和らげる緑の木々とカフェのテーブルとで埋め尽くされており、いつも賑わっている。
 広場の狭い方の一辺を占めるのがこのホテルで、ピンク色に塗られたグランドフロア部分が、街の風景にさり気なく溶け込んでいる。壁に埋め込まれた古代の建物の入口は近年発掘されたものであろうか、歴史を伝える貴重な証人だ。

 レセプション脇のラウンジは、中世を髣髴とさせる古いホールのような趣きだ。エレベータを使わず、闘牛のポスターや古いお得意さんの写真が飾られたらせん階段を登っていくと、ホテルの歴史を肌で感じることができる。
 この宿で過ごす幸運を得られたなら、何としても奮発して広場に面した部屋を確保したい。ウッドとアイアンでまとめたインテリアは、前世紀のプロヴァンスのイメージそのものプロヴァンサル・カントリー調で、まるで自宅のように寛げる空間だ。



側面の窓からはサン・トロフィーム教会の鐘楼が見える



広場側の窓の下は、ゴッホの「夜のカフェテラス」のカフェ


 3階(2me étage)の角部屋からは、眼下にフォーラム広場にあるゴッホのカフェテラス、側面からはサン・トロフィーム教会の鐘楼が、民家の赤い瓦越しに間近に見える。



中世の館のような朝食用ホール

 朝食は、2階(1er étage)の二部屋を改装した専用の小ホールで取ることができ、ディナーには本格的なレストランが併設されているので利用しても良い。

パンは美味しく食べでもあるので、コンチネンタルで十分


 せっかく街の中心に泊まったのだから、周囲のオープンエアのカフェを利用しても良いし、広場周辺には安くて美味しい気軽なレストランが沢山あるので、行ってみるのも選択肢の一つだ。
 市内の観光やショッピングも、主要スポットの殆どへ徒歩5分以内で行けるので、本当に便利だ。プロヴァンスからラングドックを巡るにも、良い拠点になるだろう。


Nord-Pinus(ノール・ピニュス),
Place du Forum 13200 Arles, France (-->地図51
Tel: +33 04 90 93 44 44
Fax: +33 04 90 93 34 00
e-mail: info@nord-pinus.com
ホテルURL: http://www.nord-pinus.com/
紹介URL:
部屋代: 160〜295ユーロ(スタンダード〜ジュニアスイート)、朝食15ユーロ
代理店:
営業期間: 通年
レストラン: 併設
カード: 可
ニーム空港からタクシーで23km。またはアルル駅(パリから特急4時間)から約1km。ホテルは旧市街のフォロム広場に面している。小さな広場なので、いったんサン・トロフィーム教会のあるレプブリク広場を目指していくほうが分かりやすい。レプブリク広場の数十メートル奥の密集した市街地の中ににフォルム広場がある。

2007.6.23掲載