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大運河に面したプチホテル
San Cassiano
サン・カッシアーノ
(ヴェネチア −イタリア)♦
賑やかな大運河が目の前


大運河に面したホテルに水上タクシーで接岸する


ェネチアで、いかにもヴェネチアらしい一日を過ごしたいなら、大運河沿いのプチホテルがいい。サン・カッシアーノはそんな目的の旅にはぴったりだ。
 空港についてターミナルビルを出るとそこはすぐ海になっていて、水上タクシー乗り場がある。10人ちょっとなら乗れるくらいの小型船で、少人数なら荷物を積んでも十分余裕があるので、奮発して乗り込む。実際、バックパッカーでもなければ、荷物を持ったままバス、列車、水上バスと公共交通機関を乗り継ぎ、さらに石畳の舗道を徒歩で行くことは難しい。



館の歴史を感じさせるレセプション



 タクシーは空港からまっしぐらにヴェネチア旧市街を目指す。海上とはいえ、水面に杭が打ってあるので、道路を走っているようでもある。霧の多い初冬には必須の道しるべだ。サンマルコの鐘楼がぐんぐん近づいていき、約20分で船のエンジンは大きく回転数を落とし、狭い運河をそろそろと進んでいく。
 運河はまさにヴェネチアの道路で、水上タクシーや自家用船、貨物船など、大小様々な船が、行き交っている。市民生活の場である住宅街をしばらく進んでから左折すると、立派な邸宅の立ち並ぶ大運河で、まるで大通りのような華やかさだ。そのなかで真っ赤な外壁で目を引くカ・ファヴレット(Ca' Favretto)が、現在ホテル「サン・カッシアーノ」として使われている、14世紀の典型的なヴェネチア様式の建物だ。



クラシックにまとめられた心地よい室内


運河に面した玄関に、タクシーは接岸する。木製の桟橋をかねたテラスに上陸し、1階の古めかしいレセプションで手続きをする。こんな手軽なチェックインができるのも、プチホテルの魅力の一つだ。室内は中世の館そのままで、クラシックな調度品で統一された木の梁が暖かい感じだ。水音を感じられる運河側の部屋を取れたなら、明るい水面がひときわ輝かしい。



すぐ目の前は、運河の水面



 はやる心に突き動かされて、さっそく市街の散策に出かけたくなる。ゴンドラや水上タクシーを呼んでも良いが、裏口から外に出て、細い路地を抜けて市民の歩く迷路のような舗道を辿ってリアルト橋まで行っても遠くない。
市民生活の中心地リアルト橋にも近い

陸から市内へ行くには、裏口から

ストランはないので、ディナーを取りに市内に出かけよう。ヴェネチアの食事は高くてまずいことで有名だが、このホテルは市場に近いので、リアルト橋近くの裏手にあるトラットリアか、路地奥に多い地元市民の通うオステリア(居酒屋)で、おいしい食事にありつける。
 リアルト橋周辺は市の中心地だ。行き交うゴンドラ、ひっきりなしに出入りする水上バス、すれ違うのも大変な観光客の雑踏。一方少し路地に入れば、そこは市民生活の場だ。ヴェネチアーノの気分で、ショッピングしたり、オステリア(居酒屋)めぐりをするのも面白い。


テラスで眺める、夜明けの大運河



 旅情豊かなヴェネチアへの去りがたい思いを残して、再び水上タクシーで旅立つときが来る。水面にだんだん小さくなっていく赤いホテルの姿を名残惜しく眺めるのも、旅のフィナーレとしてはふさわしいだろう。

San Cassiano(サン・カッシアーノ),
Santa Croce,2232, Venazia 30135(VE), ITALY (-->地図29
Tel: +39 041 52 41 768
Fax: +39 041 72 10 33
e-mail: info@sancassiano.it
ホテルURL: http://www.sancassiano.it/
紹介URL:
部屋代: 150-250ユーロ(運河側・ロー〜ハイシーズン)、120-200ユーロ(中庭側・ロー〜ハイシーズン)(朝食込)
代理店:
営業期間: 通年
レストラン: 無
カード: 可
ヴェネチア・マルコポーロ空港から水上タクシー20分。または、ヴェネチア・サンタ・ルチア鉄道駅から、水上バスでサン・スタエ(San Stae)下船徒歩3分。

2005.11.12掲載