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古い僧房と新しい礼拝堂が共存する
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クルタリオティコ渓谷の地獄のような大岩の散乱する光景を見ながら、クレタ島南岸に向かう道を進む。最後の村アソマソスを過ぎると付近には村もなく、山と海とで閉ざされた遁世の地にたどり着く。
廃墟となったカト・プレヴェリ(低いプレヴェリ)を過ぎて登りながら2kmほど進むと、海に開けた高台で道は終わる。ここが修道院の入口だ。
島有数の由緒ある修道院の正確な歴史は、分かっていない。なぜなら幾多の戦乱の中で失われてしまったからである。
閉ざされたこの地は、常に外敵に対する最適な隠れ家を提供してきた。19世紀にはトルコ帝国への反乱軍の拠点となった。また第二次世界大戦では、クレタ島の戦いに敗れた連合軍のエジプトへの撤退の足場となり、ドイツ軍の攻撃を受けている。
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綺麗に改装されたテラスからはリビア海の絶景が
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南の修道院らしく、敷地内は明るく伸びやかな雰囲気に満ちている。
リビア海へと続く緩やかなスロープの広大な敷地に、中世から現代にかけての様々な低層の建物が広がっており、改装されたテラスからは、海が一望できる。
夏にはレシムノからバスが運行され、トレッキングやビーチを楽しむ人々で賑わうと言う。
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