「地中海生活」
2000年 秋号 ( 8月12日発行 通算第19号 )
MAP & TRAVEL
THE MAP OF SANTORINI
本文に登場する町
その他の主な町
ギリシア全図
フィラ(サントリーニ島)について
第5号、第8号と同じ島ですので、内容のの多くが重なります
概要
歴史
旅行の季節
旅行日数
行き方
ホテル
ことば
その他の見どころ
ギリシア全般の情報、参考書籍など
概要
エーゲ海のなかでも最もドラマチックな景観を持つこのサントリーニ島は、ミコノス島と並んでギリシアを代表する景色の一つとして全世界に知られています。日本人の多くの人が、たとえサントリーニ島と知らなくとも、写真などでその風景を見たことがあるはずです。
この島は火山島で、陥没せず海上に残ったカルデラの一部が半円形のサントリーニ島、およびティラシア島となりました。特に火口内部に向かっては、高さ200〜300mの崖となって一気に海に崩れ落ちており、それがエーゲ海のすばらしい展望を生み出しています。活動は今なお活発で火口の中央部のネア・カメニ島ができたのは今世紀初頭のことです。またそのため有史以来たびたび地震に見舞われ、町が壊滅的な被害を受けることも珍しくありませんでした。
古代に栄えたあと忘れ去られていたこの島は、近年開発が進み今再びにぎわいを取り戻しました。いまではカルデラの風景とネア・カメニ、パレア・カメニの噴火口はこの島の観光には欠かせぬ風景になっています。
フィロステファニの町は、いまや一大観光センターとして発展したフィラと続いてしまい、喧騒を離れた静かなホテル街として重要になってきています。またイメロヴィグリはフィラからも程近く、島の中心に位置する立地と抜群の展望から、高級ヴィラ、ホテルが立ち並び、いまや経済的な宿泊は難しくなってきています。しかしいわば金持ち専用のリゾートになったことで、大衆的な観光化をまぬかれ、かえって静かな島の生活が残されているともいえます。
レストラン、タベルナは数が少ないため、変化を求めるならフィラまで出るほうが便利です。
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歴史
紀元前20世紀頃からこの島ではミノア文明が栄えましたが、紀元前15世紀頃の火山の大爆発で滅亡してしまいました。現在のカルデラの原型はこのとき出来たものです。
その後大陸からこの地に現在のギリシア人の祖先が渡ってきました。この島はギリシア・スパルタ市の属州として発展しました。後に一時的なエジプト領の時期を経て、紀元後ギリシア本国とともにローマ帝国に併合されます。
以後ビサンツ帝国の一部としてしばらく時が過ぎますが、11世紀には十字軍として来襲したヴェネチアに併合され、さらに14世紀にはトルコの一部となります。トルコ領時代、ギリシア正教の信仰は許可されていたためその文化が廃れなかったことは幸いでした。1830年に本国と同時に独立を取り戻し、現在に至ります。
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旅行の季節
他のエーゲ海の島々と同じく、夏は地中海性の晴れた暑い日が続きますが、海に囲まれていてしかも海岸より高いため、その暑さは比較的しのぎやすいものです。春、秋は一番島が静かなシーズンですが、ホテルや飛行機、船は少なくなり注意が必要です。冬は海、空とも荒れ交通が遮断されるときがあるほどです。ホテルやレストランは休業するところが多いので注意が必要です。
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旅行日数
フィロステファニ、イメロヴィグリとも小さな町ですので、早足で歩けば1日で一周することは十分に可能です。これらの村はいずれも保養地であるため、これといった観光名所もありません。1週間くらいゆっくりして、ビーチやエクスカーション(ミニクルーズ)に出かけたり、他のサントリーニの町や遺跡を見て歩くのも良いでしょう。
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行き方(交通)
日本からサントリーニ島に行くには、ギリシアの首都アテネから飛行機で行くのが一般的です。また日本を朝出発する場合、ヨーロッパの各空港から、イラクリオン空港、ロードス空港などを経由するほうが便利な場合があります。サントリーニ空港からはタクシーでイアまで約15Kの道のりです。
ギリシアへの直行便はありませんので、アジアかヨーロッパの都市で乗り換えとなります。
なおスケジュールは2000年夏期のものです。島内や周辺の交通は、冬期は減便します。ここでは夏期を前提に説明いたします。
サントリーニ島へ
下記スケジュール(2000年夏現在)以外は、中継地で1泊することになります。また下記の他、アエロフロート航空(モスクワ経由)、トルコ航空(イスタンブール経由)が、経路に無駄がないため、飛行時間が短くなっています。
KLMオランダ航空利用(金曜発のみ)
東京10:25→アムステルダム15:10 乗継 アムステルダム16:00→イラクリオン20:45 乗継 イラクリオン22:25→サントリーニ23:05
(アムステルダム−イラクリオンはトランサビア航空、イラクリオン−サントリーニはオリンピック航空)
ルフトハンザ航空利用(土曜発のみ)
東京10:10→フランクフルト14:50 乗継 フランクフルト16:25→ロードス20:30 乗継 ロードス22:10→サントリーニ23:10
(フランクフルト−ロードスはハーパグ・ロイド航空、ロードス−サントリーニはオリンピック航空)
エールフランス航空利用(月・火・水・木・金・土曜発のみ)
東京21:55→パリ4:25 乗継 パリ9:45→アテネ14:00 乗継 アテネ16:30→サントリーニ17:20
(アテネ−サントリーニはオリンピック航空)
アテネからサントリーニ島への飛行機は特に夏季は込み合い取りにくいので、アテネ付近の港から出る船を利用するのも方法です。高速船ならラフィーナ港から4〜6時間、フェリーならピレウス港から9時間で、昼行、夜行ともにあります。特に豪華フェリーで特等船室を使っての旅は、エーゲ海クルーズの気分を味わうことができおすすめです。
ただし冬は海が荒れ、船の回数も減るので注意が必要です。
島内の交通
島内の各町およびビーチの間はバスで結ばれており、便数も多く便利に利用できます。特にイアと島の中心地フィラとを結ぶ路線は夜の遅いギリシアらしく午前2時頃まで運行しています。
フィロステファニはフィラから歩いて10分ほどなので、徒歩が便利です。イメロヴィグリへはフィラから徒歩30分くらいかかります。気持ちよい散歩道なので、暑い時間以外は歩いても苦痛ではありませんが、バスやタクシーも利用できます。
ピルゴスはバス、タクシーが利用できます。
タクシーは台数が少なく、夏季などの混雑時には距離が短い場合は乗車拒否もありますが、空港や遺跡観光などバス路線のないところに行くには必須です。料金も安いので気軽に利用できます。
周辺の島への交通
カルデラ内の火山島ネア・カメニ、パレア・カメニ、ティラシア島へはイアの他、フィラなどから周遊観光船が出ています。前日に予約するのが一般的です。
他のエーゲ海の島々へはフィラ新港からフェリーが出ています。ほとんどの場合はフェリーのお世話になるものと思われます。フェリーの航路や、スケジュールは変更があるので、だいたいの情報は毎年発行されるトーマスクック社の
Greek Island Hopping
最新版で得られますが、現地で確認するのが望ましいです。事前に予約してでも確実に他の島に行きたい場合には、フライトのある島ならば費用はかかりますが、アテネ乗り換えで飛行機を利用するのがよいでしょう。
また飛行機(直行便)がミコノス島、クレタ島、ロードス島などに出ていますが、夏季でも週に数便しか飛ばないため、予約がきわめて困難です。料金は1フライト1万円前後で利用できます。
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ホテル
フィロステファニには数件のホテルがありますが、多くが立地(眺望)の良いところにあるため夏季はかなり混雑します。またイメロヴィグリは個人のヴィラや会員制の施設が中心ですが、何軒か個人でも泊まれる高級ホテルがあります。
フィラやその近郊の町まで考えれば、ホテル(朝食付)や貸しアパート(部屋貸しのみで朝食なし)も多く、なんとか部屋は確保できるでしょう。ただし夏季に現地でカルデラ沿いの眺めの良い部屋を探すのは困難で、日程の長い方なら現地でとりあえず泊まりながら空きを待つことになります。ただしその場合も1室40000ドラクマ(約2万円)などというギリシアとしては法外な値段を覚悟しなければなりません。ただし少なくともこの町では、眺めの悪いホテルや部屋に泊まるのは旅の楽しみを半減しますので、根気よく探されることをおすすめします(どうしてもさらに詳しい情報が必要な方には、ご連絡いただければ直接お知らせいたします)。
また本当にサントリーニの自然を楽しみ、ゆっくり過ごされたい方は、ぜひともカルデラ沿いの静かなホテルをおすすめします。これらの町では中心から離れた分だけ静かで、建物も余裕があり、優雅な生活が約束されます。
特におすすめするのはトラディショナルペンションという伝統建築法で建てられた宿です。洞窟住居風に、かまぼこ型に崖を掘り進んで作った作りで、昼は涼しく、夜は暖かく、なんと行っても玄関先は最高のテラスになっています。
春・秋は開業しているホテルはわずかですが、すいているのでゆっくり見て回ることができるでしょう。
冬期は多くのホテル、レストランが閉鎖されるので、選択の余地があまりなくなるかもしれません。
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ことば
一般的に通用するのはギリシア語のみです。ただし、ホテル、レストラン、空港など観光に携わる人は英語を理解しますので、とりあえず英語のみで旅行することは可能です。ただしギリシア文字は知っていた方が何かと便利でしょう。フィラは観光で持つ町なので英語がよく通じます。
ただしタクシー運転手や小さな町のホテル、レストランなどではギリシア語しか通じません。ギリシアの庶民的なレストランでは厨房に入って品定めをすることはルール違反ではないので、注文に困ることはありません。また学生さんは日本人と同じくある程度英語を理解する人が多いようです。
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ここで紹介しなかったサントリーニ島の見どころ
島の中心地のフィラ(
第8号
)は、フィロステファニから歩いてすぐ、見逃すことはできません。また島の北端の町イア(
第5号
)、火山島のネア・カメニ、バレア・カメニ、ビーチのカマリ、ペリッサ、紀元前の古代ティラ遺跡などは欠かすことの出来ないポイントです。他にも小さな美しい町やビーチがいくつもあります。
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