このような村は海岸まで山が迫るコート・ダジュール 地方によく見られ、鷲の巣(nid d'aigle−ニ・デーグル) 村と呼ばれています。 中世、特に10世紀前後にはアラブ人の勢力が強く、 このあたりはたびたび侵略を受けました。鷲の巣村は、 海からの敵をいち早く発見でき、また攻撃を受けにくい、 見晴らしの良い山の上に作られた隠れ家集落なのです。
エズの村へは、山腹を縫って走る国道脇の駐車場 に車を止めて入ります。 村へ入る道は、建物を繰り抜いて作られた、いくつも のトンネルをくぐり、曲がりくねった複雑な階段を上って いきます。外部の侵入者への厳重な警戒の様子がうか がい知れます。
やがて平和な時代がくると鷲の巣村は人々に 忘れ去られ、このエズも一度は廃墟同然ににな りました。 しかし鷲の巣村のすばらしい立地条件は、今 世紀に入って芸術家の目にとまるようになります。 エズは1920年、黄金の山羊に導かれたユー ゴスラビアのバイオリニストがここを訪れることで 再発見されたと言われています。
今ではこの小さな山上の村の大部分は、 ホテルやレストラン、土産物屋に改装さ れています。 しかし中世の鷲の巣村の雰囲気はよく 保たれており、夏の観光シーズン以外の 季節なら、日本人のバスツアーの一行が 去った後は、村は中世の静けさを取り戻 します。
これらの建物のいくつかは、ミシュランにも載る そのレストランと、コート・ダジュールの青い海の 眺望をほしいままにする、フランスでもその名を 知られた四つ星のシャトーホテル「シャトー・ドゥ・ ラ・シェーブル・ドール」(黄金の山羊の城)となっ ており、そのプールサイドの美しさは、「あまりに も美しい絶景と澄んだ空気と南フランスの太陽の きらめきの中で、じっとしているしか方法はなかっ た。」と表現されています。
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