「地中海生活」 1999年 春号 ( 2月12日発行 通算第13号 ) P.6
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 スカラ(港)へ戻った頃には、陽が少し傾き始めた、夕方前の一番暑い時間になっていました。観光化されていないこの田舎の島では、シエスタの時間は本当に人っ子ひとり見かけることはありません。
 カフェニオン前の広場も照りつける日差しの中で静まり返っています。

 浜辺にも人かげはなく、タベルナのテープルがただぽつんと置かれていました。

 人通りの途絶えたスカラのメインストリートに面したどの食堂も、わざわざくる人もいないため、開店休業の状態でシエスタに入っています。


 この数日の滞在で顔なじみになっていた「プサロス(魚)」という食堂にはいると、やはり店内には誰も居ませんでした。

 しかし頼むと、私たちのために昼食を用意してくれました。看板の魚は切らしており、山羊の煮こみと豆のスープ、それに中華料理店で仕事をしたこともあると言う店主が私たち日本人のために、自己流のチャーハンを作ってくれました。

 この暑い時間の食事は、屋内のほうがむしろ快適なので、食事は店内で取ることにしました。


Top; Skala, Astypalaia
the Second; Skala, Astypalaia
the Third; Skala, Astypalaia
the Fourth; Taverna "Psalos" in Skala, Astypalaia
Bottom; Taverna "Psalos" in Skala, Astypalaia



 アパートに戻って夕方まで一休みです。

 涼しい室内ですごすのもよいでしょう。

 また陽の当たるテラスは多少暑いのですが、海をすぐ下に見て潮風に当たりながら、片手に入るくらい小さくてとても甘い、地中海の梨をかじって過ごすのも楽しいものです。


Top; In Studio "Karlos", Skala, Astypalaia
Middle; In Studio "Karlos", Skala, Astypalaia
Bottom; In Studio "Karlos", Skala, Astypalaia

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