"地中海,イタリア,セストリ・レヴァンテ,sestri levante"
「島」と砂州で分かれた2つの入江を持つ漁師町
Sestri Levante
セストリ・レヴァンテ
(イタリア)♦

リヴィエラの海岸線には、ポルトフィーノ、チンクエテッレなど名だたるリゾートが控えているが、それらを縫うように、これといった観光資源はないものの美しい砂浜でイタリア人に人気ビーチリゾートが幾つとなく並んでいる。
 間違いなくその筆頭格に上がるのが、セストリ・レヴァンテだ。
 旧市街の古い漁師町の入り組んだ街区には、今もってその雰囲気が漂う。
 海に突き出した長さ500メートルほどの小高い丘は、島と呼ばれている。かつては本当に島だったが、潮の流れの関係で徐々に成長した砂州により、現在は陸地に繋がっている。
 「島」に渡って真っ直ぐ登っていくと、12世紀建立の古びたサンタ・ニコロ・デッリゾラ教会があり、松林から垣間見えるの二つの入江が美しい。
 その先の島の頂上一帯は、高級ホテル「グランド・オテル・デイ・カステッリ」(Grand Hotel dei Castelli)の敷地になっている。
 砂州の両側はどちらも美しい砂浜で、夏にはビーチパラソルで埋め尽くされる。西側はおとぎ湾(Baia delle Favole)に大きく開けた賑やかなビーチ、東側は静寂の湾(Baia del Silenzio)と呼ばれる入江に囲まれた静かでこじんまりとしたビーチだ。
 その間の細い部分は、両側から光が差し込む明るい旧市街となっており、おいしい魚介類を食べさせる食堂も数多い。
 町の最高のプロムナードは、バイア・デル・シレンツォ(静寂の湾)後方の丘へと続く道だ。湾に沿って歩いて行くと、自然と道は丘に登っていく。
 高度を上げるに連れ、「島」を繋ぐ砂州の家並みの上方に、バイア・デル・ファヴォーレ(おとぎ湾)の水面が覆い被さった絵のような光景が広がってくる。