"地中海,レストラン,ギリシア,マトゥラ,モネンヴァシア,モネンバシア,matoula,monemvasia"
海を臨むテラスで最高のギリシア料理
Matoúla
Ματούλα
マトゥラ
(モネンヴァシア −ギリシア)♦
中世の町の路地奥のとっておきの場所

ひと昔前の古びた看板が、期待感を呼び起こす

が進入できず、アクセスが不便なので団体客もこない中世都市モネンヴァシアは、全てが人の手による人間サイズの町だ。
 その一角の路地奥に、町で最古参のレストラン、マトゥラがある。ブドウ棚の下のテラスで、赤屋根の町並みと真っ青な海と眺めながら、丁寧に手作りされたギリシア料理を楽しもう。
 マトゥラという店名は、前世紀、中世のモネンヴァシアが衰退し全くの廃墟だった頃の住民マトゥラ・リジョス(Ματούλα Ρίτσος)の店だったことに由来する。彼がこの地に留まり初めた食堂が、親族に受け継がれ続いている。
 それだけにメニューに出てくるのは、海や野のものを中心にした伝統的なギリシア料理ばかりだ。


大ぶりだが丁寧な仕上げの伝統料理

海を望むブドウ棚の下のテラス席が人気

マトやピーマンに米を詰めたゲミステスはこの店では大ぶりで、どっしりと食べ応えがある。
 米をブドウの葉で包んだドルマデスもまた、都会の店ではカッパ巻き程度の大きさだが、ここでは一つ一つがいなり寿司か茶巾寿司のサイズだ。詰め物の米にひき肉を混ぜ込んだ気遣い、さっぱりと仕上げたエッグレモンソースをたっぷりかけた爽快感は、なかなかお目にかかれないものだ。

げんこつほどの大きさのゲミステス

ドルマデスはエッグレモンソースが爽やか


 タコの煮物は柔らかく繊細な旨みを持ち、いくらでも口に入っていく。定番のムサカは、ひき肉、ナス、ポテトの各層の厚みやバランスが絶妙で、ベシャメルソースによりそれらのハーモニーがさらに増幅されている。

柔らかいタコのマリネは、手間をかけた証拠


 他にも手作りパスタのヒロピテス、新鮮な魚のグリルを初め、お勧め料理には事欠かない。
 中世の数百年間の繁栄、住む人も疎らだった20世紀、そして観光都市として復興して賑わう今日の姿。変化に富んだ町の様子に比べ、テラスでぼんやりと眺めるモネンヴァシア沖の静かなミルトー海は、このレストランのレシピと共に、何もなかったかのように変わっていないのであろう。そんなことを思いながら、木漏れ日の下、よく冷えた地元産の白ワインを手にまどろむのも楽しい。

Matoúla/Ματούλα(マトゥラ),
Monemvasiá, Greece., (-->地図49
Tel: +30 27320 61660,
店舗URL:
紹介URL: http://www.monemvasia-online.com/matoula/
営業時間: 昼、夜
休日: 不明
カード可,
アテネからモネンヴァシア行きの長距離バスで5時間。モネンヴァシア旧市街への橋がある本土の村ゲフィラ(Géfira/ΓέΦυρα)でバスは終点となる。橋を渡って旧市街入口の西門までは約2km(徒歩30分)、門をくぐって土産物屋が並ぶメインストリートの路地をまっすぐ進み、町の中心ジャミウ広場に出る少し手前、西門から約200メートル(徒歩3分)のところ。通りから海側に数十メートル奥まっているが、気をつけて進めば木製の手作りの看板が見えるはず。

2007.4.30掲載