梨売りの老人
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分断されたキプロスの首都レフコシアの北半分(北レフコシャ)は、雑然とした埃っぽい街路、あちこちに見られるモスクのミナレットなどから、今やトルコの都市といった感が強い。ギルネ門 Girne Kapısı(キレニア門)からギルネ通りをまっすぐ進み、こじんまりとしたサラヨ二・ジャーミイ Sarayönü Camiiの脇を左に進むと、いよいよ名跡が目白押しの核心部だ。
15世紀のビュイック・ハマムは現役で機能している
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15世紀のビュイック・ハマム Büyük Hamamは今も現役で使われており、中世のトルコ風の商館ビュイック・ハン Büyük Hanはショッピングセンターとなってその役目を受け継いでいる。さらに進むと細い路地の両側に衣料や生活用品店、カフェなどがならぶ繁華街となり、それが突然廃墟にかわる。トルコ軍が駐屯する停戦ライン(グリーンライン)だ。いきなり現れる軍隊に緊張させられるが、統合への話し合いが進む現在(2004.8)、強い緊張感はない。[補:2008年4月 通行所開設]
トルコ風の商館 ビュイック・ハン
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グリーンライン(停戦ライン)は、双方の話し合いが進み緊張感がない
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市内最大のセリミエ・モスク
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停戦ラインを左に折れると、かつてレフコシャ最大のカテドラルだった建物が見えてくる。中世のトルコ占領時にミナレットが加えられた現在、セリミエ・モスク Selimye Camiiとなっており、巨大な建物内部は全ての装飾が取り外されて絨毯を敷き詰めた空間だ。多くのモスク同様扉が開いたままなので神聖な雰囲気はあまりない。モスクの脇のベデステン Bedestenも貴重な建物だ。またそれに沿うように建つ市場では、青果・果物から肉、チーズ、衣料品まで何でもあり、レフコシャの生活が垣間見られて楽しい。裏手のハイダルパシャ・モスク Haydarpaşa Camiiも、ぜひ訪れてみたい。もともと教会だった建物に、とって付けたように加えたミナレットが面白い。
北レフコシャ旧市街
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