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魚づくしの前菜がうまい店
L'Antica Hosteria
ランティカ・オステリア
(トラーパニ −イタリア)♦♦
港近くの気取らぬレストラン

   新鮮なウニは生食でいただく

の幸を楽しむのに、イタリアで最も適した町の代表が、シチリア島西端の町トラーパニだろう。小さな都市ではあるが、港のあたりを中心に、魚介類の美味しい店は少なくない。
 このランティカ・オステリアは、エガディ諸島行きの高速船乗り場から程近い、海が覗ける位置にある新装のリストランテだ。

   マンションの壁に貼り付けた大きな看板が目印

 海岸通りから路地に入ってすぐ、大きなマンションの1階にこじんまりとした入口が有る。駐車場の車の陰に隠れるようにテラス席が並べられており、しかもDa Bettinaという古い店名が入口の擦りガラスにそのまま残っているので一瞬とまどうが、脇の壁には新しい店名を記した看板が大きく掲げられている。
 あまりにもさり気ない外観だが、中に入ると一応レストランらしくなっている。それがまた何の変哲もないありきたりのレストラン風で、料理へのこだわりが足りないように感じられ、少し心配になる。メニューもなく本日の料理の説明が口頭で始まるが、要は今日入荷状況で本日のメニューが決まるらしいのだ。一瞬、そのイージーさに落胆しかけたが、雰囲気やサービスより料理の鮮度にとことんこだわっているとも考えられ、気を取り直して料理を待つ。


次から次へと運ばれる魚介類の前菜

   さっぱりとした薄切りのカジキマグロのマリネ

菜は選択の余地なく、本日の海の前菜盛り合わせとなる。これは驚きだった!
 次から次へと新鮮な海の幸の料理が運ばれてくる。カジキマグロのマリネ、マグロのマリネ、エビのマリネ、イイダコのマリネ、タコのサラダ、それから何と言うのかさつま揚げを思わせるアツアツのすり身の揚げ物。食べるそばから、いやそのペースを上回る速さでどんどん皿が運ばれてくる。そして最後には、なんと何と生のウニが。

   見た目もきれいなイイダコのマリネ

 半分に割ったものが皿の上にギッシリ盛り付けられていて、本当に新鮮なためであろう、味がしっかりしているのに臭みが全くない。

 ここまでで既に7品が出ているのだが、しかもどの皿も、一品料理程度の量があるので、この段階でかなりおなかがいっぱいになっている。

   小エビのフィジッリ・カサレッチは新鮮だから味が全然違う

 しかしこの後に続くパスタがまた素晴らしい。とにかくソースに使う魚介類が格段に新鮮なのだ。
 お勧めに従い、小エビのフィジッリ・カサレッチに、スカンピ(手長エビ)のブシャーテを頼んでみた。いずれもエビの旨みと、パスタが絡み合い、最高の出来栄えだ。パスタはいずれも日本ではなじみが薄いが、ソースが絡みやすい複雑な形状のパスタで、最適の組み合わせだ。

   スカンピ(手長エビ)のブシャーテは、ソースとパスタが最高の相性

 特にトラーパニ近辺でしか食べられないブシャーテは、少女漫画に登場する縦ロールのヘアに似た形をしており、中空のらせん状をしているためソースとの相性が大変に良い美味しいパスタだ。
 この時点ですっかり満足かつ満腹となり、アイスクリームとコーヒーを締めくくって店を出た。

L'Antica Hosteria (ランティカ・オステリア),
Via San Cristoforo 5/7 - 91100 Trapani(TR), Italia., (-->地図42
Tel: +39 333 7951433,
店舗URL: http://www.anticahosteria.it/
紹介URL:
営業時間: 昼、夜
休日: 不明,
カード可,
トラーパニ旧市街の、エガディ諸島行き高速船乗り場から海岸に沿って東、駅の方向に向かい、小さな路地サン・クリストフォロに入ってすぐ。気をつけていけば海岸沿いの通りから、店の看板が見える。

2006.5.10掲載