港近くの気取らぬレストラン | ||||
の幸を楽しむのに、イタリアで最も適した町の代表が、シチリア島西端の町トラーパニだろう。小さな都市ではあるが、港のあたりを中心に、魚介類の美味しい店は少なくない。
あまりにもさり気ない外観だが、中に入ると一応レストランらしくなっている。それがまた何の変哲もないありきたりのレストラン風で、料理へのこだわりが足りないように感じられ、少し心配になる。メニューもなく本日の料理の説明が口頭で始まるが、要は今日入荷状況で本日のメニューが決まるらしいのだ。一瞬、そのイージーさに落胆しかけたが、雰囲気やサービスより料理の鮮度にとことんこだわっているとも考えられ、気を取り直して料理を待つ。 |
次から次へと運ばれる魚介類の前菜 | |||||||||
菜は選択の余地なく、本日の海の前菜盛り合わせとなる。これは驚きだった!
ここまでで既に7品が出ているのだが、しかもどの皿も、一品料理程度の量があるので、この段階でかなりおなかがいっぱいになっている。
お勧めに従い、小エビのフィジッリ・カサレッチに、スカンピ(手長エビ)のブシャーテを頼んでみた。いずれもエビの旨みと、パスタが絡み合い、最高の出来栄えだ。パスタはいずれも日本ではなじみが薄いが、ソースが絡みやすい複雑な形状のパスタで、最適の組み合わせだ。
この時点ですっかり満足かつ満腹となり、アイスクリームとコーヒーを締めくくって店を出た。
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