「地中海生活」 2000年 夏号 ( 5月12日発行 通算第18号 ) P.6
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 この時間帯はショッピングを楽しむには向きませんが、バロック風の見事な建造物を堪能することができます。

 日曜日の昼下がり、トラーパニの旧市街のメインストリートは、店の扉やシャッターがすべて閉じられ、人影がまったく見られません。シチリア西部有数の大都市にもかかわらず、「安息日」と「シエスタ」という伝統的な一面を残していることがよくわかります。

 建てこんだトラーパニの町では、大教会はなかなかその全貌をあらわすことはありません。垣間見るカテドラルの飴色の建物に、美しいマジョルカ焼きの瓦を持つ白く塗られたドームがよく映えています。


Top; Old city, Trapani
The second; Old city, Trapani
Bottom; Old city, Trapani




 港の周辺も国際港らしからぬ、とてものんびりした雰囲気ですが、ここから対岸のチュニジアまではフェリーで数時間の距離です。

 堤防のトンネルをくぐって旧市街の北側の海岸沿いに出てみます。

 たった1軒だけ港のまん前のトラットリアが開いていたので、軽く遅い昼食を取りました。港の前の大通りに面していてあまり落ち着かない場所ですが、幸い今日はほとんど交通もありません。
 西シチリア名物のイワシのパスタやピーマンの焼き物も大変おいしく、まさにリーズナブルな漁港の食堂という感じで、満足のいく店でした。

 ここにはバロック以前の古い地中海的な漁民の家が残っており、ひなびた漁村のまだ残っていました。

 この海岸から眺める、海に向かって高くそびえるサン・ジュリアーノ山の眺めは素晴らしいものでした。今日の長い旅もこれで終わりです。その頂にあるエリチェの町に戻ることにしましょう。


Top; Port, Trapani
The second; Port, Trapani
The third; Fishing port, Trapani
Bottom; The view of Monte San Giuliano, at Trapani

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