「地中海生活」
1997年 夏号 ( 5月12日発行 通算第6号 )
MAP & TRAVEL
THE MAP OF LISBOA
本文に登場する場所
ポルトガル全図
リシュボア(リスボン)について
概要
歴史
旅行の季節
旅行日数
行き方
ホテル
その他の見どころ
ポルトガル全般の情報
概要
ポルトガルの首都リシュボア(英語;リスボン)は西経9度、ヨーロッパの西端に位置します。地中海から大西洋へ出てすぐのところに位置するため、海路を通じてアフリカ、アジア、南米の影響を強く受けています。特にアラブの一角であった約400年間と世界中に広大な植民地を保有した約400年間はこの町に大きな影響を与えました。また逆にヨーロッパ中心部からはもっとも遠く、異国情緒と田舎ののんびりした感じが混じり合った独特の雰囲気を醸し出しています。これはリシュボアのみならずポルトガル全体の特徴といえるかもしれません。 テージョ川はリシュボア市郊外で大西洋に注いでおり、市内の川の様子は流れが遅く、川幅が広くほとんど海の入り江のような感じすらします。 リシュボアは丘が多く、町は坂ばかりで、どこを歩いても楽しく、すばらしい景色に巡り会えます。市電、ケーブルカー、エレベーター、タクシーなど各種の交通機関がよく整備されています。しかし町自体も小さいので、急ぎでなければ主な見所は歩いて回れます。郊外のベレン地区だけは電車かタクシーで行くことになるでしょう。
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歴史
紀元前10世紀前後に地中海の海洋民族フェニキア人が城を建設したのが始まりといわれており、ギリシア人、カルタゴ人なども地中海から北海への中継地としてこの地に住み着いてきた。
やがてローマ帝国の発展とともに帝国に組み入れられるが、数百年でローマはこの地に多くのものを残しながら去り、その後は政治的にはしばらく安定しない時代となる。4世紀頃にはスペインとともにキリスト教アリウス派が広まるが、その後カトリック、さらに8世紀にはイスラム教が広がり、以後しばらくイスラム世界の一角となる。当時の最先端の文化に触れイスラムの政権下で町は発展した。
しかしイスラム圏は徐々に南へと退きつつあり、1147年にリシュボアはキリスト教のポルトガル王国に併合された。
15世紀、航海技術の発達に伴い、海上交通は地中海、北海の時代から大西洋、太平洋の時代へと変わり、海の主役はギリシア、イタリア、北欧勢からスペイン、ポルトガルに代わった。1494年、ポルトガルはスペインと地球を2分割し、アフリカからインド、さらにはアジアまでのほとんどの沿岸地域、さらにはブラジルを勢力圏として立て続けに植民地化し、1543年ついに日本に到達した(種子島鉄砲伝来)。国は急速に富み、リシュボアはその首都として栄華を極めた。
その後アジアの大部分をオランダに奪われるがブラジルの植民地経営で国はなお繁栄を続けた。しかしヨーロッパ北部で産業革命がおこり、アメリカ合衆国が発展し、輸送が海路から空路に代わるのに従い、ポルトガルは再びヨーロッパの田舎へと戻っていった。
今世紀に入ってからは、軍事独裁政権、残された植民地の独立紛争など不安定な状況が続き、1976年の民主政権成立と同年の東チモール紛争(実質的な最後の植民地の喪失)を経て、ようやく国は新たなスタートをきり始めたところである。
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旅行の季節
地中海性気候で春から秋にかけてはよく晴れる日が続きます。高い山が少ないので冬もそれほどひどくは荒れません。また海に囲まれているため寒暑は穏やかで真夏と真冬でも15度程度しか違いません。
しかし一番の旅行シーズンは5月から10月にかけての夏を中心とした季節でしょう。日中も日差しは強いものの乾燥して過ごしやすく、木陰はひんやりとしています。また夏の夜は肌寒いくらいで長袖は欠かせません。
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旅行日数
リシュボア(リスボン)は首都の割には、わずかの時間で見て回れます。見所のほとんどが町の中心部とベレン地区に集中しているからです。急ぎなら1日、またふつうに見ても3日もあれば十分でしょう。
ただリシュボア近郊には紹介したセトゥバルの他、シントラ、カシュカイシュ、オビドス、ナザレ、エボラなど捨てがたい観光地が多いので、リシュボアとその近郊を組み合わせれば、1週間でも足りないくらいです。
またポルトガルは比較的小さい国なので、時間がない方は1週間でポルトガル全土を回ることも不可能ではありません(その場合、本当に回るだけになってしまうでしょうが)。
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行き方(交通)
日本からリシュボア(リスボン)へは直行便はありません。しかしヨーロッパ系のほとんどの会社が接続便を持ち、また日本の航空会社もわずかの追加料金で乗り継ぎが可能です。ポルトガルに近いスペイン、フランス、イギリスなどの航空会社が毎日運行しており便利です。なお、スペインのイベリア航空はリシュボア以外にも南部のファーロなどへの接続便を持っていますが日本からの利用は認められていません(完全に別料金になります)。
また陸路でスペインから入る場合は、鉄道は大変時間がかかり実用性は低いですが、車の場合は近年高速道路が大変よく整備され、スペイン南部のセビージャから数時間でリシュボアへ入ることができるようになりました。なおスケジュールは1996年夏期のものです。
リスボン・サカベン空港へ
英国航空利用(毎日)
東京11:00→ロンドン15:30 乗継 ロンドン18:35→リスボン21:10
エールフランス航空利用(月・火・水・木・金・日曜発のみ)
東京12:00→パリ17:20 乗継 パリ19:30→リスボン22:00
アエロフロート・ロシア航空利用(月・木曜発のみ)
東京11:00→モスクワ19:20 乗継 モスクワ20:15→リスボン19:35
イベリア航空利用(月・水・金・土曜発のみ)
東京12:55→マドリッド21:55 乗継(宿泊) マドリッド8:10→リスボン8:20
市内の交通
空港から市内まではタクシーですぐです。市内にはバスや市電、地下鉄が巡らされていますが、中心部の観光スポット間の移動は歩いても大した距離ではありません。坂道はケーブルカー、エレベーターが利用できるところもあります。またタクシーは安いのでちょっとした移動(特に坂道)に便利です。サンジョルジェ城も時間的にはタクシーが一番早くつきます。
郊外のベレン地区へはカイシュ・ド・ソドレ駅から電車に乗りベレン駅まで行くのが便利です。もちろんタクシーでもそれほどの金額にはなりませんが。
セトゥバルへの交通
セトゥバルに行くにはテージョ川を渡らなければなりません。車で約40Kですのでレンタカーを借りるか、タクシー利用(7000円くらい)がもっとも便利です。約30分のドライブでつきます。直行バスか鉄道でも1時間で到着します。鉄道の場合はテージョ川をフェリーで渡って、対岸のバレイロ駅から乗車します。
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ホテル
リシュボアの一流ホテルは中心街からやや離れたところにあるので、町の雰囲気を楽しみたいなら中心街の安いホテルの方が便利かもしれません。またポルトガ../../../../info/link/country/portugalm.html|ウザーダが何軒かありおすすめです。その場合はリシュボアから車で1〜2時間を要します。
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その他の見どころ
近郊のマフラ、シントラ、カシュカイシュ、またヨーロッパ最西端のロカ岬などは時間があればぜひ出かけてみたいところです。距離的にも気軽に出かけることができます。
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