城と反対側の丘の上をめざして再び昇り始めます。
町の外はのどかな山羊の放牧地になっており、その毛並みは夕日の中で金色に輝いて見えました。

　だいぶ登って、町が小さくなり始めた頃、風は突然冷たくなり、海霧の中に太陽は消えていきました。

　入り江の浜の上の素朴なタベルナにはいり、頬に潮風を感じながら、新鮮なイカをカリッと揚げたフライにたっぷりとレモンをかけてほおばってみました。

　夜になると、この島にごくわずかに滞在しているリゾート客がどこからともなく姿を見せ、スカラ（港）にある数軒の食堂もひとときの賑わいを見せます。